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量子もつれ

🔬 自然科学 執筆 CampusDown ウィキ編集部 最終更新
量子もつれ(量子エンタングルメント)とは、2つ以上の粒子が1つの量子状態として結びつき、どれほど離れていても一方を測定した瞬間に他方の測定結果と強く相関する現象です。
目次
  1. 1. アインシュタインの反論から始まった
  2. 2. ベルの不等式とノーベル賞
  3. 3. 誤解と応用
  4. 4. よくある質問
  5. 5. 参考文献

アインシュタインの反論から始まった

1935年、相対性理論のアインシュタインはポドルスキー、ローゼンとともに「EPR論文」を発表し、量子力学が正しければ遠く離れた2つの粒子が瞬時に影響し合うことになるので、この理論は不完全だと主張しました。彼はこれを「不気味な遠隔作用」と皮肉りました。同じ年、シュレーディンガーはこの現象に「もつれ(Verschränkung)」と名づけ、量子力学の最も本質的な特徴だと述べました。アインシュタインは、粒子が最初から決まった「隠れた変数」を持っていると信じていました。

ベルの不等式とノーベル賞

30年近く哲学論争にとどまっていたこの問題を、1964年に北アイルランドの物理学者ジョン・ベルが実験で決着をつけられる不等式に置き換えました。隠れた変数があれば2粒子の相関には上限がありますが、量子力学はその上限を超えると予測します。1972年のジョン・クラウザー、1982年のアラン・アスペ、1990年代以降のアントン・ツァイリンガーの実験はすべて量子力学に軍配を上げ、3人は2022年のノーベル物理学賞を受賞しました。2015年には抜け穴をふさいだ「ループホールフリー」なベルテストも成功しています。

誤解と応用

もつれは測定結果が相関するだけで、一方で望む結果を選んで送ることはできないため、光より速い通信は不可能です。だから相対性理論とは矛盾しません。もつれは量子コンピューターで量子ビットを結びつけて計算能力を高める資源であり、盗聴するともつれが壊れる性質を利用した量子暗号や、状態を遠くへ移す量子テレポーテーションにも使われます。2017年には中国の衛星「墨子号」が1,200km離れた地上局の間でもつれた光子を配送しました。

よくある質問

量子もつれで瞬間通信はできる?
いいえ、結果を操作できないため、情報を光より速く送ることはできません。
なぜ2022年までノーベル賞が出なかった?
実験の抜け穴をすべてふさぎ、結論が確実になるまで数十年かかったためです。

出典確認日:2026-10-26

参考文献

  1. Einstein, A., Podolsky, B., & Rosen, N. (1935). Can quantum-mechanical description of physical reality be considered complete? Phys. Rev., 47, 777–780.
  2. Bell, J. S. (1964). On the Einstein Podolsky Rosen paradox. Physics, 1(3), 195–200.
  3. Nobel Prize in Physics 2022: Aspect, Clauser, Zeilinger. NobelPrize.org.

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この記事は2026年10月26日に最終更新されました。内容は広く知られた原典と教科書に基づいて整理していますが、レポートで引用する際は参考文献の原典を必ず確認してください。