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重力波

🔬 自然科学 執筆 CampusDown ウィキ編集部 最終更新
重力波は、ブラックホールや中性子星のような重い天体が加速運動するときに時空そのものがゆがみ、そのさざ波が光の速さで広がっていく現象です。
目次
  1. 1. 予言と間接的な証拠
  2. 2. LIGOの初検出
  3. 3. 新しい天文学
  4. 4. よくある質問
  5. 5. 参考文献

予言と間接的な証拠

1916年、アルベルト・アインシュタインは一般相対性理論の方程式から、質量が加速すると時空にさざ波が生じて光速で伝わる重力波を予言しました。しかし効果があまりに小さいため、本人も検出は不可能だろうと考え、一時は重力波の実在そのものを疑ったこともあります。1974年、ラッセル・ハルスとジョゼフ・テイラーは互いに回る2つの中性子星(連星パルサー)の軌道が、重力波でエネルギーを失う分だけ正確に縮んでいることを観測して間接的な証拠を得、1993年にノーベル物理学賞を受けました。

LIGOの初検出

1970年代からライナー・ワイス、キップ・ソーン、ロナルド・ドレーバーらがレーザー干渉計で重力波を直接とらえる構想を育て、米国ワシントン州ハンフォードとルイジアナ州リビングストンに腕の長さ4kmのLIGO観測所が建設されました。2015年9月14日、2つの観測所は約13億光年かなたで太陽の約36倍と29倍の質量をもつ2つのブラックホールが合体した信号(GW150914)を同時にとらえ、2016年2月に発表されました。このときの腕の長さの変化は陽子の直径の1万分の1ほどにすぎません。ワイス、バリー・バリッシュ、ソーンは2017年にノーベル物理学賞を受賞しました。

新しい天文学

2017年8月17日には、2つの中性子星の合体による重力波(GW170817)をとらえた直後、世界中の望遠鏡が同じ場所でガンマ線や光を観測し、金や白金などの重い元素がこうした合体(キロノバ)でつくられる証拠が得られました。光と重力波をあわせて見る「マルチメッセンジャー天文学」の幕開けです。現在はLIGO、欧州のVirgo、日本のKAGRAが共同で観測し、数百件のイベントが見つかっています。2030年代には宇宙干渉計LISAの打ち上げも予定されています。重力波は光が届かない初期宇宙やダークマターの研究にも新たな窓を開くと期待されています。

よくある質問

重力波が地球を通過したら感じられますか?
いいえ。地球に届くころにはゆがみが非常に小さく、超高精度のレーザー干渉計でしか測れません。
重力波と重力の違いは何ですか?
重力は質量が時空をゆがめる効果で、重力波はそのゆがみが変化したときに生じるさざ波が広がる現象です。

出典確認日:2026-10-26

参考文献

  1. Einstein, A. (1916). Näherungsweise Integration der Feldgleichungen der Gravitation. Sitzungsberichte der Königlich Preußischen Akademie der Wissenschaften, 688–696.
  2. Abbott, B. P., et al. (LIGO Scientific Collaboration and Virgo Collaboration). (2016). Observation of gravitational waves from a binary black hole merger. Physical Review Letters, 116, 061102.
  3. Abbott, B. P., et al. (2017). GW170817: Observation of gravitational waves from a binary neutron star inspiral. Physical Review Letters, 119, 161101.

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この記事は2026年10月26日に最終更新されました。内容は広く知られた原典と教科書に基づいて整理していますが、レポートで引用する際は参考文献の原典を必ず確認してください。