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暗黒物質

🔬 自然科学 執筆 CampusDown ウィキ編集部 最終更新
暗黒物質(ダークマター)は光を出さず反射もしないため見えませんが、重力で銀河や銀河団をつなぎとめている物質で、宇宙全体のエネルギーの約27%を占めると推定されています。
目次
  1. 1. ツビッキーとルービン
  2. 2. さらなる証拠
  3. 3. 正体を探して
  4. 4. よくある質問
  5. 5. 参考文献

ツビッキーとルービン

1933年、スイス出身の天文学者フリッツ・ツビッキーは、かみのけ座銀河団の銀河の動きが速すぎて、見えている星の質量だけではばらばらにならずにまとまっていられないと計算しました。彼は見えない「暗い物質(dunkle Materie)」があるはずだと述べましたが、長く注目されませんでした。1970年代、米国のヴェラ・ルービンとケント・フォードはアンドロメダ銀河などの回転速度を測り、外側の星も内側と同じくらい速く回る「平坦な回転曲線」を示しました。ニュートン力学どおりなら外側は遅くなるはずなので、銀河は見えない巨大なハローに包まれているという結論になったのです。

さらなる証拠

重い天体が光を曲げる一般相対性理論の重力レンズ効果を使って質量の分布を描くと、見える物質よりはるかに多くの質量が浮かび上がります。2006年に発表された「弾丸銀河団」では、衝突した2つの銀河団の高温ガスが中央に残る一方、質量の中心は両側へ抜けており、見えない物質が実在する強力な証拠とされています。プランク衛星による宇宙背景放射の解析では、宇宙は通常の物質約5%、暗黒物質約27%、宇宙の膨張を加速させる暗黒エネルギー約68%からなります。暗黒物質はビッグバン後に銀河が育つ骨組みになったと考えられています。

正体を探して

ブラックホールや暗い星などの通常の物質では量が足りないため、暗黒物質は未発見の新しい粒子である可能性が高いと見られています。弱く相互作用する重い粒子(WIMP)、非常に軽いアクシオン、ステライルニュートリノなどが候補ですが、地下実験施設での直接検出実験や、ヒッグス粒子を見つけたLHCでも、まだ信号は得られていません。1983年にモルデハイ・ミルグロムが提案した修正ニュートン力学(MOND)のように重力の法則そのものを変える案もありますが、銀河団と宇宙背景放射をともに説明するのは困難です。重力波観測や大型望遠鏡による探査が手がかりになると期待されています。

よくある質問

暗黒物質と暗黒エネルギーは同じものですか?
違います。暗黒物質は重力で物質を引き寄せて銀河をまとめ、暗黒エネルギーは宇宙の膨張を加速させている正体不明の要因です。
暗黒物質はいま私の体を通り抜けているのですか?
粒子であればその可能性は高いですが、通常の物質とほとんど相互作用しないので何も感じません。

出典確認日:2026-10-26

参考文献

  1. Zwicky, F. (1933). Die Rotverschiebung von extragalaktischen Nebeln. Helvetica Physica Acta, 6, 110–127.
  2. Rubin, V. C., & Ford, W. K. (1970). Rotation of the Andromeda Nebula from a spectroscopic survey of emission regions. Astrophysical Journal, 159, 379–403.
  3. Planck Collaboration. (2020). Planck 2018 results. VI. Cosmological parameters. Astronomy & Astrophysics, 641, A6.

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この記事は2026年10月26日に最終更新されました。内容は広く知られた原典と教科書に基づいて整理していますが、レポートで引用する際は参考文献の原典を必ず確認してください。