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重力

🔬 自然科学 執筆 CampusDown ウィキ編集部 最終更新
重力は質量やエネルギーをもつすべてのものが引き合う現象で、一般相対性理論では質量が時空をゆがめた結果として説明されます。
目次
  1. 1. 落ちるリンゴと月
  2. 2. 地球の重さを量り、新しい惑星を見つける
  3. 3. 曲がった時空と残された謎
  4. 4. よくある質問
  5. 5. 参考文献

落ちるリンゴと月

アリストテレスは重いものほど速く落ちると考えましたが、ガリレオ・ガリレイは斜面の実験などから、空気の抵抗がなければすべての物体は同じ加速度で落ちることを示し、1638年の『新科学対話』にまとめました(ピサの斜塔の実験の話は事実かどうか定かではありません)。1609年、ヨハネス・ケプラーは惑星が楕円軌道を回る法則を発表しました。1687年、アイザック・ニュートンは『プリンキピア』で、リンゴを落とす力と月を軌道にとどめる力は同じものであり、2つの物体の質量の積に比例し距離の2乗に反比例するという万有引力の法則を打ち立てました。この法則とニュートンの運動の法則によって、太陽系の惑星の動きや潮の満ち引き、彗星の回帰まで説明できるようになりました。

地球の重さを量り、新しい惑星を見つける

1798年、ヘンリー・キャヴェンディッシュはねじればかりで実験室の鉛の球どうしのごく弱い引力を測り、地球の平均密度を計算しました。これは事実上、重力定数を初めて測定したものとされます。1846年、ユルバン・ルヴェリエとジョン・クーチ・アダムズは天王星の軌道のずれをニュートンの重力で計算して見えない惑星の位置を予測し、その近くで海王星が見つかりました。しかしルヴェリエは1859年、水星の近日点がニュートンの理論では説明できないほどわずかに多く移動していることも報告しました。この小さなずれは、その後50年あまり謎として残りました。

曲がった時空と残された謎

1915年、アルベルト・アインシュタインは一般相対性理論を完成させ、重力を力ではなく、質量とエネルギーが時空をゆがめ、物体がそのゆがんだ道筋にそって動く現象として説明しました。この理論は水星の近日点移動を正確に説明し、1919年の皆既日食の観測で星の光が太陽の近くで曲がることが確かめられたと発表されました(当時の測定精度にはのちに議論がありましたが、その後の観測が結果を確かめています)。1960年にはパウンドとレブカが重力によって光の振動数が変わることを実験室で確かめ、重力が時間を遅らせる効果はいまGPS衛星の時計の補正に実際に使われています。2015年、LIGOは2つのブラックホールの合体から出た重力波を初めて検出し、日本でも岐阜県の神岡に重力波望遠鏡KAGRAがつくられました。2019年にはイベント・ホライズン・テレスコープがM87銀河の中心のブラックホールの影を撮影しました。しかし重力はまだ量子力学とひとつにまとめられておらず、銀河の回転速度が見える物質だけでは説明できないことから、暗黒物質の正体も未解決の問題です。

よくある質問

宇宙ステーションの中はなぜ無重力?
そこでも重力は地表の約90%もはたらいています。ステーションと宇宙飛行士がいっしょに地球へ落ち続けながら横へも速く動いているため、浮いているように感じる「自由落下」の状態なのです。
月では体重はどのくらい?
月の重力は地球の約6分の1なので、体重計の数字も約6分の1になります。ただし体をつくる質量そのものは変わりません。

出典確認日:2026-10-26

参考文献

  1. Kepler, J. (1609). Astronomia nova. Heidelberg: Vögelin.
  2. Galilei, G. (1638). Discorsi e dimostrazioni matematiche intorno a due nuove scienze. Leiden: Elzevir.
  3. Newton, I. (1687). Philosophiæ Naturalis Principia Mathematica. London: Royal Society.
  4. Cavendish, H. (1798). Experiments to determine the density of the Earth. Philosophical Transactions of the Royal Society of London, 88, 469–526.
  5. Le Verrier, U. J. J. (1859). Lettre de M. Le Verrier à M. Faye sur la théorie de Mercure et sur le mouvement du périhélie de cette planète. Comptes rendus de l'Académie des Sciences, 49, 379–383.
  6. Einstein, A. (1915). Die Feldgleichungen der Gravitation. Sitzungsberichte der Königlich Preußischen Akademie der Wissenschaften, 844–847.
  7. Dyson, F. W., Eddington, A. S., & Davidson, C. (1920). A determination of the deflection of light by the Sun's gravitational field. Philosophical Transactions of the Royal Society A, 220, 291–333.
  8. Pound, R. V., & Rebka, G. A. (1960). Apparent weight of photons. Physical Review Letters, 4(7), 337–341.
  9. Abbott, B. P., et al. (LIGO Scientific Collaboration and Virgo Collaboration). (2016). Observation of gravitational waves from a binary black hole merger. Physical Review Letters, 116(6), 061102.
  10. Event Horizon Telescope Collaboration. (2019). First M87 Event Horizon Telescope results. I. The shadow of the supermassive black hole. Astrophysical Journal Letters, 875(1), L1.

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この記事は2026年10月26日に最終更新されました。内容は広く知られた原典と教科書に基づいて整理していますが、レポートで引用する際は参考文献の原典を必ず確認してください。