丸い地球、動く地球
紀元前3世紀、エラトステネスはエジプトの2つの町で同じ日の正午の影の長さがちがうことを使って、地球の周長を驚くほど正確に見積もったと伝えられています。長いあいだ人々は地球が宇宙の中心だと信じていましたが、1543年、ニコラウス・コペルニクスは地球が太陽のまわりを回る惑星だという地動説を発表し、ケプラー、ガリレオ、ニュートンを経て太陽系の中の地球の位置が確立しました。地球を公転させているのは太陽の重力です。地球は約23.4°かたむいたまま自転しているため、季節が生まれます。
深い時間と地球の内部
1788年、ジェームズ・ハットンは岩石が積もってはけずられるゆっくりとした過程を観察して、地球の歴史は想像できないほど長いと主張し、1830年、チャールズ・ライエルがこれを『地質学原理』にまとめました。1956年、クレア・パターソンは隕石の鉛の同位体から地球の年齢を約45億5000万年と計算しました。オーストラリアで見つかった約44億年前のジルコンの結晶は、ごく早い時期から大陸地殻と水があった可能性を示しています。月は、原始の地球に火星ほどの天体がぶつかってできたという「ジャイアント・インパクト説」が最も広く受け入れられています。地球の内部は地震波で調べます。地殻の下には厚いマントル、液体の外核、固体の内核があり、1936年、デンマークのインゲ・レーマンは地震波の分析から内核の存在を明らかにしました。液体の鉄が流れる外核は地球の磁場をつくり、太陽風をさえぎってオーロラを生みます。
動く大陸と生命の惑星
1912〜15年、アルフレート・ウェゲナーは大陸の海岸線や化石の分布が合うことを根拠に大陸移動説をとなえましたが、動かす力を説明できず、長く受け入れられませんでした。1960年代にハリー・ヘスの海洋底拡大説や、ヴァインとマシューズの海底の地磁気のしま模様の研究が出て、プレートテクトニクスが確立しました。地球の表面はいくつものプレートに分かれて1年に数cmずつ動き、プレートの境界で地震や火山が多く起こります。4枚のプレートが集まる日本列島が地震と火山の多い国なのもこのためです。地球は太陽からの距離がちょうどよく液体の水があり、大気と磁場が生命を守っています。生命がいることが知られている唯一の天体ですが、いまは気候変動や生物多様性の減少など人間の活動が地球環境を大きく変えており、これを新しい地質時代「人新世」とよぶ議論もありました(2024年、国際的な地質学の機関は正式な時代として採用しませんでした)。
よくある質問
- 地球は完全な球?
- いいえ。自転のため赤道のほうが少しふくらんだ回転楕円体で、赤道半径は極半径より約21km長くなっています。
- 地球の自転はおそくなっている?
- はい、月の潮汐の作用で、1日の長さはごくわずかずつ長くなっています。その変化は100年で約1〜2ミリ秒と見積もられています。
出典確認日:2026-10-26
参考文献
- Copernicus, N. (1543). De revolutionibus orbium coelestium. Nuremberg: J. Petreius.
- Hutton, J. (1788). Theory of the Earth. Transactions of the Royal Society of Edinburgh, 1, 209–304.
- Lyell, C. (1830). Principles of Geology, Vol. 1. London: John Murray.
- Wegener, A. (1915). Die Entstehung der Kontinente und Ozeane. Braunschweig: Vieweg.
- Lehmann, I. (1936). P′. Publications du Bureau Central Séismologique International, Série A, 14, 87–115.
- Hess, H. H. (1962). History of ocean basins. In A. E. J. Engel et al. (Eds.), Petrologic Studies: A Volume in Honor of A. F. Buddington (pp. 599–620). New York: Geological Society of America.
- Vine, F. J., & Matthews, D. H. (1963). Magnetic anomalies over oceanic ridges. Nature, 199, 947–949.
- Patterson, C. (1956). Age of meteorites and the earth. Geochimica et Cosmochimica Acta, 10(4), 230–237.
- Canup, R. M., & Asphaug, E. (2001). Origin of the Moon in a giant impact near the end of the Earth's formation. Nature, 412, 708–712.
- Wilde, S. A., Valley, J. W., Peck, W. H., & Graham, C. M. (2001). Evidence from detrital zircons for the existence of continental crust and oceans on the Earth 4.4 Gyr ago. Nature, 409, 175–178.
