どうやって生まれるか
太陽は電気を帯びた粒子の流れである太陽風を絶えず放出し、フレアやコロナ質量放出(CME)が起こるとはるかに多くの粒子が飛び出します。地球の磁場は大部分の粒子を防ぎますが、磁場と太陽風が絡み合う過程でエネルギーがたまり、粒子が磁力線に沿って極付近の上層大気へ降り注ぎます。粒子が酸素や窒素の原子を励起し、原子が元の状態に戻るときに特定の色の光を出すのがオーロラです。そのためオーロラは磁北極・磁南極を取り巻くドーナツ形の「オーロラ帯」(磁気緯度約65〜70度)で最もよく見られます。「オーロラ・ボレアリス(北極光)」という名前は、1619年にガリレオがローマ神話の暁の女神アウロラと北風の神ボレアスから名づけたと伝えられています。
色が違う理由
オーロラの色は、どの原子がどの高さで光るかで決まります。最もよく見られる緑色は高度約100〜250kmの酸素が出す557.7nmの光で、空気がとても薄いその上では酸素が赤い630nmの光を出します。窒素は下の縁に紫やピンクの縁取りを作ります。
| 色 | 原因 | おおよその高さ |
|---|---|---|
| 緑 | 酸素原子 557.7nm | 約100〜250km |
| 赤 | 酸素原子 630.0nm | 約200km以上 |
| 青・紫 | 窒素分子イオンなど | 約100km前後、下の縁 |
| ピンク | 窒素分子 | 約100km以下 |
強い磁気嵐のときはオーロラ帯が低緯度へ広がり、ふだんは見られない赤いオーロラが中緯度でも現れます。
いつ、どこで見られるか
観測の名所は、カナダのイエローナイフ、米国アラスカ州フェアバンクス、ノルウェーのトロムソ、フィンランドのラップランド、アイスランドなどオーロラ帯の真下の地域です。夜の長い9月〜3月、月明かりが弱く雲のない夜の22時〜2時ごろが狙い目です。米国海洋大気庁(NOAA)の予報や地磁気活動を表すKp指数(0〜9)が参考になり、Kpが高いほど南でも見えます。1859年の「キャリントン・イベント」ではカリブ海でもオーロラが見え、電信網が混乱しました。約11年周期の太陽活動が極大期を迎えた2024年5月には約20年ぶりの強い磁気嵐(G5)が起こり、北海道をはじめ日本各地でも低緯度オーロラが撮影されました。江戸時代の1770年に京都などで記録された「赤気」も巨大磁気嵐によるオーロラだったと考えられています。木星や土星のように磁場と大気を持つ惑星にもオーロラがあります。
よくある質問
- 日本でもオーロラは見られますか?
- 北海道などで、非常に強い磁気嵐のときに北の地平線近くの赤いオーロラが写真に写ることがあります。肉眼ではっきり見るには高緯度地域へ行く必要があります。
- オーロラを見るにはいつ行くのがよいですか?
- 夜の長い9月〜3月、満月を避けた晴れた日がよいでしょう。3〜4泊以上滞在すると天気が悪い日があっても見られる確率が高まり、太陽活動の極大期前後が有利です。
出典確認日:2026-10-26
参考文献
- Akasofu, S.-I. (1964). The development of the auroral substorm. Planetary and Space Science, 12(4), 273–282.
- Tsurutani, B. T., Gonzalez, W. D., Lakhina, G. S., & Alex, S. (2003). The extreme magnetic storm of 1–2 September 1859. Journal of Geophysical Research, 108(A7), 1268.
- Eather, R. H. (1980). Majestic Lights: The Aurora in Science, History, and the Arts. American Geophysical Union.
- NOAA Space Weather Prediction Center. (2024). Aurora: Tutorial and 30-Minute Forecast. National Oceanic and Atmospheric Administration.
