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キレート

🔬 自然科学 執筆 CampusDown ウィキ編集部 最終更新
要点:キレート形成とは、二つ以上の供与部位をもつ配位子が一つの金属イオンに結合することで、爪のようにイオンを包み込み、環状の錯体をつくります。キレートは、同等の単座配位子による錯体よりはるかに安定です。
目次
  1. 1. 錯体と配位子
  2. 2. キレート効果
  3. 3. 代表的なキレート剤と用途
  4. 4. 参考文献

錯体と配位子

錯体は、中心金属イオンと、非共有電子対をもつ分子やイオン(配位子)とが結合したものです。供与部位が一つの配位子は単座配位子(NH₃、H₂O)、複数のものは多座配位子と呼ばれ、多座配位子がつくる環状の錯体は、カニのはさみを意味するギリシャ語からキレートと呼ばれます(Morgan & Drew, 1920)。

キレート効果

[Ni(en)₃]²⁺の安定度定数は[Ni(NH₃)₆]²⁺よりはるかに大きくなります。一つの多座配位子が複数の水分子を追い出すため、自由な粒子の数が増え、エントロピーが増大するからです。五員環と六員環が最も安定です。

代表的なキレート剤と用途

  • EDTA:六座配位子。Ca²⁺/Mg²⁺の滴定(水の硬度)、鉛中毒の治療、食品の保存に用いられます。
  • 医療:ヒ素や水銀にはジメルカプロール(BAL)、鉄過剰症にはデフェロキサミン。
  • 環境:キトサンのようなアミンに富む高分子は重金属と結合し、廃水から除去します(吸着と脱アセチル化を参照)。
  • 生体:ヘモグロビンのヘムは鉄をキレートしたポルフィリンで、クロロフィルはマグネシウムをキレートしています。

参考文献

  1. Morgan, G. T., & Drew, H. D. K. (1920). Researches on residual affinity and co-ordination. Part II. Journal of the Chemical Society, Transactions, 117, 1456-1465.
  2. Schwarzenbach, G. (1952). Der Chelateffekt. Helvetica Chimica Acta, 35(7), 2344-2359.
  3. Housecroft, C. E., & Sharpe, A. G. (2018). Inorganic Chemistry (5th ed.). Pearson.
  4. Flora, S. J. S., & Pachauri, V. (2010). Chelation in metal intoxication. International Journal of Environmental Research and Public Health, 7(7), 2745-2788.

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この記事は2026年10月15日に最終更新されました。内容は広く知られた原典と教科書に基づいて整理していますが、レポートで引用する際は参考文献の原典を必ず確認してください。