振幅変調とは?
音声のような低周波信号は直接伝送するのが難しいため、高周波の搬送波に乗せて送ります。振幅変調(AM)は、メッセージに応じて搬送波の振幅を変化させます。フェッセンデンの初期の実験の後、ラジオ放送の標準的な方式となりました。
式と変調度
メッセージ m(t)=Amcos(2πfmt) と搬送波 Accos(2πfct) に対して、通常のAMは次のように表されます。
s(t) = Ac[1 + μ·cos(2πfmt)]·cos(2πfct), μ = Am/Ac
μは変調度です。1を超えると過変調となり、包絡線がひずみます。
側波帯と帯域幅
三角関数の公式で展開すると、搬送波 fc、上側波帯 fc+fm、下側波帯 fc−fm の3成分が得られます。メッセージ帯域幅がWのとき、AMの帯域幅は2Wです。
電力効率
全電力は Pc(1+μ²/2) で、情報を運ぶ側波帯に含まれる割合は μ²/(2+μ²) です。μ=1でも効率は約33%にすぎず、残りは搬送波に費やされます。
変形方式
| 方式 | 特徴 | 帯域幅 | 用途 |
|---|---|---|---|
| DSB-FC(通常のAM) | 搬送波を含み、受信機が簡単 | 2W | AM放送 |
| DSB-SC | 搬送波を抑圧し、電力効率が高い | 2W | FMステレオの副搬送波など |
| SSB | 片側の側波帯のみを送信 | W | アマチュア・海上・軍用の短波 |
| VSB | 片側の側波帯ともう一方の残留部分 | Wよりやや広い | アナログテレビの映像 |
復調
- 包絡線検波:ダイオードとRC回路で振幅の輪郭をたどる。μ≤1の通常のAMでのみ機能する。
- 同期(コヒーレント)検波:周波数と位相が一致する局部発振搬送波を乗算し、低域通過フィルタを通す。DSB-SCとSSBではこれが必要。
長所と短所
AMは方式が簡単で遠くまで伝搬しますが、雑音が振幅に直接加わるため、音質は周波数変調(FM)より劣ります。
参考文献
- Haykin, S., & Moher, M. (2009). Communication Systems (5th ed.). Wiley.
- Lathi, B. P., & Ding, Z. (2009). Modern Digital and Analog Communication Systems (4th ed.). Oxford University Press.
- Carlson, A. B., & Crilly, P. B. (2010). Communication Systems (5th ed.). McGraw-Hill.
- ITU-R Recommendation BS.560 / Regional Agreement GE75 (LF/MF broadcasting, 9 kHz channel spacing in Regions 1 and 3).