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電磁波

🔬 自然科学 執筆 CampusDown ウィキ編集部 最終更新
電磁波は電場と磁場がたがいを生み出しながら真空中を秒速約30万kmで伝わる波で、光も電磁波の一種です。
目次
  1. 1. 光と電気がひとつに
  2. 2. ヘルツの証明とスペクトル
  3. 3. 暮らしの中の電磁波と健康
  4. 4. よくある質問
  5. 5. 参考文献

光と電気がひとつに

1800年、ウィリアム・ハーシェルはプリズムで分けた太陽光の赤の外側に温度計を置き、目に見えない光、赤外線を発見しました。翌年、ヨハン・リッターは紫の外側に紫外線を見つけました。1831年、マイケル・ファラデーは磁石を動かすと電流が生じる電磁誘導を発見し、電気と磁気の「力線」を思い描きました。1865年、ジェームズ・クラーク・マクスウェルはこれを方程式にまとめ、変化する電場と磁場がたがいを生み出しながら波として広がり、その速さが光の速さと等しいことを計算して「光は電磁波である」と結論づけました。この考えは、のちにアインシュタインの相対性理論の出発点になりました。

ヘルツの証明とスペクトル

1887〜88年、ハインリヒ・ヘルツは火花放電の装置で目に見えない電波をつくり、反射・屈折・干渉を確かめてマクスウェルの理論を証明しました。周波数の単位「ヘルツ(Hz)」は彼の名に由来します。1890年代にはインドのジャガディッシュ・チャンドラ・ボースがミリ波を研究し、グリエルモ・マルコーニが無線電信を実用化しました。1895年にヴィルヘルム・レントゲンがX線を、1900年にポール・ヴィラールがラジウムからガンマ線を発見しました。波長の長い電波からマイクロ波、赤外線、可視光、紫外線、X線、ガンマ線まで、すべては波長が違うだけの同じ電磁波です。1900年、マックス・プランクは光のエネルギーがかたまりでやりとりされると仮定し、アインシュタインは光電効果を説明して光が光子という粒子のようにもふるまうことを示しました。1965年、ペンジアスとウィルソンは宇宙全体から届くマイクロ波背景放射を発見し、ビッグバン理論を裏づけました。日本では八木秀次と宇田新太郎が1920年代に八木・宇田アンテナを開発し、テレビアンテナとして世界に広まりました。

暮らしの中の電磁波と健康

ラジオやテレビ、携帯電話やWi-Fi、電子レンジ、赤外線リモコン、レーザー、病院のX線や放射線治療まで、すべて電磁波を利用しています。健康への影響はエネルギーによって大きく違います。紫外線より波長の短いX線やガンマ線は、原子から電子をはぎ取る「電離放射線」でDNAを傷つけうるため被ばくの管理が必要で、紫外線は日焼けや皮膚がんの原因になるので紫外線対策が大切です。一方、携帯電話やWi-Fiの電波はエネルギーの低い「非電離放射線」で、確立された主な影響はわずかな発熱です。国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)はこれをもとに曝露の基準を定めており、基準以下で健康被害が確かめられた一貫した証拠はいまのところありません。ただし長期的な影響の研究は続いています。

よくある質問

電子レンジは食べ物を放射能で汚染する?
いいえ。電子レンジのマイクロ波は水の分子を揺らして熱を出すだけで、食べ物を放射性物質にはしません。スイッチを切ればマイクロ波もすぐに消えます。
携帯電話の電磁波でがんになる?
WHOの国際がん研究機関は無線周波電磁界を「発がん性の可能性がある(2B)」に分類していますが、これは証拠が限られているという意味です。基準以下の使用でがんのリスクが高まるという一貫した根拠は、いまのところありません。

出典確認日:2026-10-26

参考文献

  1. Herschel, W. (1800). Experiments on the refrangibility of the invisible rays of the sun. Philosophical Transactions of the Royal Society of London, 90, 284–292.
  2. Faraday, M. (1832). Experimental researches in electricity. Philosophical Transactions of the Royal Society of London, 122, 125–162.
  3. Maxwell, J. C. (1865). A dynamical theory of the electromagnetic field. Philosophical Transactions of the Royal Society of London, 155, 459–512.
  4. Hertz, H. (1888). Über Strahlen elektrischer Kraft. Annalen der Physik, 272(4), 769–783.
  5. Bose, J. C. (1897). On the determination of the wavelength of electric radiation by a diffraction grating. Proceedings of the Royal Society of London, 60, 167–178.
  6. Villard, P. (1900). Sur la réflexion et la réfraction des rayons cathodiques et des rayons déviables du radium. Comptes rendus de l'Académie des Sciences, 130, 1010–1012.
  7. Planck, M. (1901). Ueber das Gesetz der Energieverteilung im Normalspectrum. Annalen der Physik, 309(3), 553–563.
  8. Penzias, A. A., & Wilson, R. W. (1965). A measurement of excess antenna temperature at 4080 Mc/s. Astrophysical Journal, 142, 419–421.
  9. International Commission on Non-Ionizing Radiation Protection (ICNIRP). (2020). Guidelines for limiting exposure to electromagnetic fields (100 kHz to 300 GHz). Health Physics, 118(5), 483–524.

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この記事は2026年10月26日に最終更新されました。内容は広く知られた原典と教科書に基づいて整理していますが、レポートで引用する際は参考文献の原典を必ず確認してください。