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DNA(デオキシリボ核酸)

🔬 自然科学 執筆 CampusDown ウィキ編集部 最終更新
DNA(デオキシリボ核酸)は、A・T・G・Cの4種類の塩基の並びで生物の遺伝情報を保存する分子で、2本の鎖がねじれ合った二重らせん構造をしています。
目次
  1. 1. 発見の歴史
  2. 2. 二重らせん
  3. 3. ゲノムの時代
  4. 4. よくある質問
  5. 5. 参考文献

発見の歴史

1869年、スイスのフリードリッヒ・ミーシャーは病院の包帯についた膿の白血球の核から、リンを多く含む物質を取り出し「ヌクレイン」と名づけました。しかし長いあいだ、遺伝物質はより複雑なタンパク質だと考えられていました。1944年、オズワルド・エイヴリー、コリン・マクラウド、マクリン・マッカーティは肺炎球菌の性質を変える「形質転換物質」がDNAであることを示し、1950年にはエルヴィン・シャルガフがAとT、GとCの量が等しいという規則を見つけました。メンデルのいう遺伝因子の正体が見え始めたのです。

二重らせん

1952年、ロンドン大学キングス・カレッジのロザリンド・フランクリンとレイモンド・ゴズリングは、X線回折でらせん構造をはっきり示す「写真51」を撮影しました。このデータをモーリス・ウィルキンスを通じて目にしたケンブリッジのジェームズ・ワトソンとフランシス・クリックは、1953年4月に『ネイチャー』で、2本の鎖が逆向きに並びA–T、G–Cで対をつくる二重らせんモデルを発表しました。3人の男性は1962年にノーベル賞を受けましたが、1958年に37歳で亡くなったフランクリンは受賞できず、科学史でよく知られる功績をめぐる論争となっています。

ゲノムの時代

二重らせんは、片方の鎖を鋳型にして複製できるしくみを示し、DNA→RNA→タンパク質という「セントラルドグマ」が確立しました。1990年に始まったヒトゲノム計画は2003年に約92%の解読を宣言し、2022年にはT2Tコンソーシアムが残りの空白を埋めた完全な配列を発表しました。いまDNAの知識は親子鑑定や犯罪捜査、インスリンのような遺伝子組み換え医薬品、mRNAワクチン、狙った場所を書き換えるCRISPRへとつながっています。

よくある質問

DNA、遺伝子、染色体はどう違いますか?
DNAは分子そのもの、遺伝子はタンパク質などをつくる情報をもつDNAの一区間、染色体はDNAがタンパク質に巻きついてまとまった構造です。ヒトの染色体は23対です。
人どうしのDNAはどれくらい同じですか?
別々の2人のDNA配列は約99.9%が共通で、残り0.1%の違いが個人差を生みます。

出典確認日:2026-10-26

参考文献

  1. Watson, J. D., & Crick, F. H. C. (1953). Molecular structure of nucleic acids: a structure for deoxyribose nucleic acid. Nature, 171, 737–738.
  2. Avery, O. T., MacLeod, C. M., & McCarty, M. (1944). Studies on the chemical nature of the substance inducing transformation of pneumococcal types. Journal of Experimental Medicine, 79(2), 137–158.
  3. Nurk, S., et al. (2022). The complete sequence of a human genome. Science, 376(6588), 44–53.

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この記事は2026年10月26日に最終更新されました。内容は広く知られた原典と教科書に基づいて整理していますが、レポートで引用する際は参考文献の原典を必ず確認してください。