5種類の白血球
白血球はすべて骨髄の造血幹細胞(幹細胞の一種)から生まれ、血液中の数は赤血球よりずっと少ないものの免疫の中心を担います。1882年、ロシアのイリヤ・メチニコフはヒトデの幼生にとげを刺し、細胞が集まって異物をのみ込む様子を見て「食細胞」説を打ち立て、1908年にノーベル賞を受けました。血液検査の白血球分画では次の5種類を区別します。
| 種類 | 割合(目安) | 主な役割 |
|---|---|---|
| 好中球 | 50〜70% | 細菌を最初にのみ込む食細胞、膿の主成分 |
| リンパ球 | 20〜40% | T細胞・B細胞(抗体)・NK細胞、ウイルス防御と免疫記憶 |
| 単球 | 2〜8% | 組織でマクロファージになり掃除・抗原提示 |
| 好酸球 | 1〜4% | 寄生虫への防御、アレルギー・喘息 |
| 好塩基球 | 0.5〜1% | ヒスタミンを放出、アレルギー反応 |
数値が高いとき
基準を超えて増えた状態を白血球増加症といいます。最も多い原因は細菌感染で、肺炎や虫垂炎では好中球が大きく増えます。ステロイド薬、喫煙、激しい運動やストレス、妊娠でも一時的に上がることがあります。好酸球が増えればアレルギーや寄生虫、リンパ球が増えればウイルス感染をまず考えます。数万〜数十万まで異常に増え、未熟な細胞が見られる場合は白血病の鑑別が必要です。
数値が低いとき
基準より少ない状態は白血球減少症です。特に好中球が1,500/μL未満を好中球減少症といい、500未満では重い感染症の危険が高いため、発熱したら急いで受診が必要です。抗がん剤治療、一部の抗菌薬や抗甲状腺薬などの薬、ウイルス感染、自己免疫疾患、再生不良性貧血などが原因になります。健康診断で基準値をわずかに外れただけでは病気と決めつけられず、もともとやや低めの人もいます。再検査と分画をあわせて医師が判断します。
この記事は一般的な健康情報であり、診断や治療に代わるものではありません。症状が続く場合は医師に相談してください。
よくある質問
- 白血球が少し高いと言われました。心配すべきですか?
- かぜ、ストレス、喫煙、検査前の運動だけでも少し上がることがあります。ほかの数値や症状に問題がなければ、数週間後の再検査で確認することが多いです。
- 白血球を増やす食べ物はありますか?
- 特定の食べ物で白血球数を上げることはできません。バランスのよい食事と十分なたんぱく質・睡眠が免疫細胞づくりを支え、大きく低い場合は原因を調べて治療します。
出典確認日:2026-10-26
参考文献
- Janeway, C. A., et al. (2001). Immunobiology: The Immune System in Health and Disease (5th ed.). Garland Science.
- Metchnikoff, É. (1908). On the present state of the question of immunity in infectious diseases. Nobel Lecture.
- Bain, B. J. (2015). Blood Cells: A Practical Guide (5th ed.). Wiley-Blackwell.
