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抗生物質耐性

🩺 看護・保健学 執筆 CampusDown ウィキ編集部 最終更新
抗生物質耐性は、細菌が突然変異や遺伝子のやり取りによって抗生物質に生き残る能力を得て、同じ薬では感染症が治らなくなる現象です。
目次
  1. 1. 耐性はどうして生まれるか
  2. 2. 耐性菌と被害の大きさ
  3. 3. 私たちにできること
  4. 4. よくある質問
  5. 5. 参考文献

耐性はどうして生まれるか

1928年にアレクサンダー・フレミングがペニシリンを発見して以来、抗生物質は肺炎や敗血症などの死亡率を劇的に下げました。しかしフレミングは1945年のノーベル賞講演で「量が足りないと微生物は耐性を得る」とすでに警告していました。抗生物質を使うと効きやすい菌は死に、偶然の突然変異で耐えた菌だけが生き残って増えます。細菌はプラスミドという小さなDNAを別の種に渡すこともでき、耐性遺伝子は素早く広がります。耐性の仕組みには、薬を分解する酵素(βラクタマーゼ)、薬の標的の変化、薬を外へくみ出すポンプなどがあります。

耐性菌と被害の大きさ

多くの抗生物質が同時に効かない細菌は「スーパー耐性菌」と呼ばれます。メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)、バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)、切り札のカルバペネムも効かない腸内細菌目細菌(CRE)、多剤耐性結核が代表例です。2022年のランセット誌の分析は、2019年に世界で約127万人が耐性菌感染により直接死亡したと推計しました。日本でも2016年に薬剤耐性(AMR)対策アクションプランが策定され、外来での不要な抗菌薬処方を減らす取り組みが進んでいます。畜産や養殖で使われる抗菌薬も耐性菌の重要な発生源です。

私たちにできること

かぜやのどの痛みの多く、急性気管支炎の大半はウイルスが原因で、抗生物質は効きません。ウイルス感染に使っても効果はなく、腸内細菌叢を乱して耐性菌を育てるおそれがあります。処方された抗生物質は医師が決めた量と期間どおりに飲み、残った薬をとっておいて後で自己判断で飲んだり人にあげたりしないことが大切です。近年は短い期間で十分な感染症も多いとわかってきたため、期間は自分で短くも長くもせず医師に相談するのが原則です。手洗いや予防接種で感染そのものを減らすことも、抗生物質の使用を減らす道です。

この記事は一般的な健康情報であり、診断や治療に代わるものではありません。症状が続く場合は医師に相談してください。

よくある質問

かぜに抗生物質を飲めば早く治りますか?
いいえ。かぜはウイルスが原因なので抗生物質は効きません。中耳炎や細菌性副鼻腔炎などの合併症が疑われるときに医師が判断して処方します。
症状がよくなったら抗生物質をやめてもいいですか?
自己判断でやめず、処方どおりに飲みましょう。感染症によっては短期間で済む場合もありますが、その判断は医師が行います。

出典確認日:2026-10-26

参考文献

  1. Fleming, A. (1945). Penicillin. Nobel Lecture, December 11, 1945.
  2. Antimicrobial Resistance Collaborators. (2022). Global burden of bacterial antimicrobial resistance in 2019: a systematic analysis. The Lancet, 399(10325), 629–655.
  3. World Health Organization. (2015). Global Action Plan on Antimicrobial Resistance. WHO.
  4. O'Neill, J. (2016). Tackling Drug-Resistant Infections Globally: Final Report and Recommendations. Review on Antimicrobial Resistance.

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この記事は2026年10月26日に最終更新されました。内容は広く知られた原典と教科書に基づいて整理していますが、レポートで引用する際は参考文献の原典を必ず確認してください。