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光子

🔬 自然科学 執筆 CampusDown ウィキ編集部 最終更新
光子(フォトン)は光を含むすべての電磁波の最小のエネルギー単位である素粒子で、質量がなく、真空中では常に光速で進みます。
目次
  1. 1. 光は粒子か波か
  2. 2. 「光子」という名前と二重性
  3. 3. 光子を使う技術
  4. 4. よくある質問
  5. 5. 参考文献

光は粒子か波か

1704年、アイザック・ニュートンは『光学』で光を小さな粒子の流れと考え、クリスティアーン・ホイヘンスは波だと主張しました。1801年にトマス・ヤングの二重スリット実験が干渉縞を示し、1860年代にジェームズ・クラーク・マクスウェルが光を電磁波として説明すると、波動説が勝ったかに見えました。しかし1900年、マックス・プランクは熱い物体が出す光のスペクトルを説明するため、エネルギーはhfの整数倍でしかやりとりされないと仮定しました。1905年、アインシュタインはさらに進んで光そのものがエネルギーの粒(光量子)からなると提案して光電効果を説明し、1921年のノーベル賞を受けました。ミリカンはこれを否定しようと実験しましたが、1916年の精密な測定はかえってアインシュタインの式を裏づけました。

「光子」という名前と二重性

1923年、アーサー・コンプトンはX線が電子とぶつかってビリヤードの球のように運動量をやりとりし、波長が長くなることを示し、光の粒が運動量を持つ本当の粒子であることを証明しました。「光子(photon)」という名前は1926年に化学者ギルバート・ルイスがつけたものです。1927年、ポール・ディラックは光の放出と吸収を量子化された場として扱い、量子電磁力学の土台を築きました。光子は1個ずつ送っても、二重スリットを通るうちに積み重なって干渉縞をつくります。観測の仕方によって粒子にも波にも見えるこの性質が「波と粒子の二重性」で、量子力学の核心です。質量がないため真空中では常に秒速約30万kmで進み、この速さが相対性理論の基準になります。

光子を使う技術

原子の中の電子がエネルギー準位の間を飛び降りると決まった色の光子が出て、これを位相をそろえて増幅したのがレーザーです。1956年のハンベリー・ブラウンとトウィスの光子相関実験、1963年のロイ・グラウバーの量子光学の理論(2005年ノーベル賞)が、光を光子単位で扱う道を開きました。1982年、アラン・アスペはもつれた光子対でベルの不等式が破れることを示し、2022年にジョン・クラウザー、アントン・ツァイリンガーと共にノーベル賞を受けました。今日、光子は量子暗号通信、デジタルカメラのイメージセンサー、太陽電池、宇宙マイクロ波背景放射の観測に使われています。日本のスーパーカミオカンデも、ニュートリノが生む微弱な光を光電子増倍管で光子単位で捉えています。

よくある質問

質量のない光子がなぜエネルギーと運動量を持つの?
相対性理論ではエネルギーと運動量は質量なしでも存在できます。光子のエネルギーは振動数に比例し(E=hf)、運動量はエネルギーを光速で割った値です。
光子は古くなったり消えたりするの?
真空中で光子は崩壊しません。物質に吸収されると消え、宇宙の膨張で波長が伸びてエネルギーが下がることはあります。

出典確認日:2026-10-26

参考文献

  1. Newton, I. (1704). Opticks. London: Sam. Smith & Benj. Walford.
  2. Planck, M. (1901). Über das Gesetz der Energieverteilung im Normalspectrum. Annalen der Physik, 4(3), 553–563.
  3. Einstein, A. (1905). Über einen die Erzeugung und Verwandlung des Lichtes betreffenden heuristischen Gesichtspunkt. Annalen der Physik, 17, 132–148.
  4. Millikan, R. A. (1916). A direct photoelectric determination of Planck's "h". Physical Review, 7(3), 355–388.
  5. Compton, A. H. (1923). A quantum theory of the scattering of X-rays by light elements. Physical Review, 21(5), 483–502.
  6. Lewis, G. N. (1926). The conservation of photons. Nature, 118(2981), 874–875.
  7. Dirac, P. A. M. (1927). The quantum theory of the emission and absorption of radiation. Proceedings of the Royal Society A, 114(767), 243–265.
  8. Hanbury Brown, R., & Twiss, R. Q. (1956). Correlation between photons in two coherent beams of light. Nature, 177(4497), 27–29.
  9. Glauber, R. J. (1963). Coherent and incoherent states of the radiation field. Physical Review, 131(6), 2766–2788.
  10. Aspect, A., Grangier, P., & Roger, G. (1982). Experimental realization of Einstein-Podolsky-Rosen-Bohm Gedankenexperiment: A new violation of Bell's inequalities. Physical Review Letters, 49(2), 91–94.

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この記事は2026年10月26日に最終更新されました。内容は広く知られた原典と教科書に基づいて整理していますが、レポートで引用する際は参考文献の原典を必ず確認してください。