黒点と虹の中の黒い線
人々は古くから太陽を神としてあがめ、東アジアでは肉眼で見えた黒点が紀元前から記録されてきました。1610年代、ガリレオ・ガリレイは望遠鏡で黒点を観測して1613年に本にまとめ、黒点が表面を動くことから太陽が自転していると主張しました。1814年ごろ、ヨゼフ・フォン・フラウンホーファーは太陽光のスペクトルに数百本の暗い線を見つけ、1859〜60年にはグスタフ・キルヒホフとロベルト・ブンゼンが、この線は太陽大気中の元素が特定の光を吸収した跡であることを明らかにして、光から星の成分を知る分光学を開きました。ヘリウムは1868年、地球より先に太陽のスペクトルで見つかりました。1843年、ハインリッヒ・シュワーベは黒点の数が約11年周期で増減することを発見しました。
太陽は何で燃えているのか
19世紀には、太陽は石炭のように燃えているか、縮みながら輝いていると考えられていましたが、それでは数千万年しかもたず、地質学や進化論が求める長い時間と合いませんでした。1925年、セシリア・ペインは博士論文で、太陽をはじめとする星がおもに水素とヘリウムでできていることを示しました。1939年、ハンス・ベーテは星の中心で水素の原子核がヘリウムに融合する核融合反応でエネルギーが生まれることを計算しました。太陽の中心は約1500万℃で、毎秒約400万トンの質量がエネルギーに変わっています。中心でつくられたエネルギーは放射層と対流層を通って表面に届くまで数万年以上かかると見積もられ、表面を出た光、つまり光子は約8分20秒で地球に届きます。1968年、レイモンド・デイビスは核融合から出るニュートリノを初めて検出しましたが、予想の約3分の1しかなく「太陽ニュートリノ問題」が生まれました。日本のスーパーカミオカンデが1998年にニュートリノ振動の証拠を示し、2002年にはカナダのSNO実験がニュートリノが飛ぶ間に種類を変えることを示して、この問題は解決しました。
太陽活動と地球、そして未来
太陽は熱いプラズマのかたまりで、複雑にねじれた磁場が黒点、フレア、コロナ質量放出を生み出します。1859年、リチャード・キャリントンは白色光フレアを初めて観測し、直後の強い磁気嵐で電信線から火花が散り、低緯度でもオーロラが見られました。1958年、ユージン・パーカーは太陽からプラズマが絶えず吹き出す「太陽風」を理論的に予言し、まもなく探査機が確かめました。彼の名を冠したNASAのパーカー・ソーラー・プローブは2018年に打ち上げられ、太陽に最も近づいた人工物となりました。強い太陽嵐は人工衛星、GPS、電力網に被害を与えうるため、宇宙天気予報が重要になっています。太陽は約50億年後に中心の水素を使い果たして赤色巨星にふくらみ、やがて白色矮星として冷えていくと予測されています。ブラックホールや中性子星になるには質量が小さすぎます。太陽を肉眼やふつうのサングラス、望遠鏡で直接見ると目に重い障害が残ることがあるので、必ず認証された太陽観察用フィルターを使いましょう。
よくある質問
- 太陽は何色?
- 太陽光はほぼすべての色がまざった白に近い色です。昼に黄色っぽく、夕方に赤く見えるのは、大気が青い光を散乱させるためです。
- 太陽が突然消えたら、いつ分かる?
- 光が地球に届くまで約8分20秒かかるので、それまでは分かりません。重力の変化も光の速さで伝わるため、地球の軌道も約8分後にようやく影響を受けます。
出典確認日:2026-10-26
参考文献
- Galilei, G. (1613). Istoria e dimostrazioni intorno alle macchie solari e loro accidenti. Roma: Giacomo Mascardi.
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- Schwabe, H. (1844). Sonnen-Beobachtungen im Jahre 1843. Astronomische Nachrichten, 21, 233–236.
- Carrington, R. C. (1859). Description of a singular appearance seen in the Sun on September 1, 1859. Monthly Notices of the Royal Astronomical Society, 20, 13–15.
- Kirchhoff, G. (1860). Ueber das Verhältniss zwischen dem Emissionsvermögen und dem Absorptionsvermögen der Körper für Wärme und Licht. Annalen der Physik, 185(2), 275–301.
- Payne, C. H. (1925). Stellar Atmospheres. Harvard Observatory Monographs No. 1. Cambridge, MA: Harvard Observatory.
- Bethe, H. A. (1939). Energy production in stars. Physical Review, 55(5), 434–456.
- Parker, E. N. (1958). Dynamics of the interplanetary gas and magnetic fields. Astrophysical Journal, 128, 664–676.
- Davis, R., Harmer, D. S., & Hoffman, K. C. (1968). Search for neutrinos from the Sun. Physical Review Letters, 20(21), 1205–1209.
- Ahmad, Q. R., et al. (SNO Collaboration). (2002). Direct evidence for neutrino flavor transformation from neutral-current interactions in the Sudbury Neutrino Observatory. Physical Review Letters, 89(1), 011301.
