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元素

🔬 自然科学 執筆 CampusDown ウィキ編集部 最終更新
元素は、同じ数の陽子をもつ原子からなり、化学的な方法ではそれ以上分けられない物質の基本成分です。現在118種類が確認されています。
目次
  1. 1. 四元素から化学元素へ
  2. 2. 周期表と原子番号
  3. 3. 元素はどこから来たのか
  4. 4. よくある質問
  5. 5. 参考文献

四元素から化学元素へ

古代ギリシャのエンペドクレスやアリストテレスは、万物は土・水・空気・火の四元素からなると考え、東アジアには木・火・土・金・水の五行思想がありました。錬金術師は金属を金に変えようとしましたが、成功しませんでした。1661年、ロバート・ボイルは『懐疑的化学者』で元素は実験で確かめるべきだと主張し、1789年、アントワーヌ・ラボアジエは元素を「化学分析でそれ以上分けられない物質」と定義して、酸素や水素など33種類を表にしました(光や熱も含まれていたのは時代の限界でした)。1808年、ジョン・ドルトンは元素ごとに固有の重さをもつ原子があるという原子説を示しました。

周期表と原子番号

1869年、ドミトリ・メンデレーエフは元素を原子量の順に並べると性質が周期的にくり返すことを見つけ、未発見の元素の場所を空けてその性質を予言しました。ガリウム(1875年)、スカンジウム(1879年)、ゲルマニウム(1886年)が予言どおりに見つかり、周期表は広く認められました。同じころドイツのロタール・マイヤーも似た表をつくっています。1911年、アーネスト・ラザフォードは原子の中心に小さな核があることを示し、1913年、ヘンリー・モーズリーはX線のスペクトルから、元素の本当の順番は核の正電荷、つまり原子番号(陽子の数)であることを明らかにしました。周期がくり返す理由は、量子力学が説明する電子配置にあります。1945年にはグレン・シーボーグがアクチノイドの考えで周期表の下の部分を整理しなおしました。

元素はどこから来たのか

ビッグバンの直後には、おもに水素とヘリウム、わずかなリチウムしかつくられませんでした。それより重い元素が星の中でつくられたことは、1957年にバービッジ夫妻、ファウラー、ホイルがまとめた「B²FH論文」が体系的に説明しました。太陽のような星は核融合で水素をヘリウムに変え、重い星は炭素、酸素、鉄までつくります。鉄より重い元素の多くは超新星爆発や中性子星の合体で生まれると考えられ、2017年の中性子星合体の観測がその証拠となりました。「私たちは星くずでできている」といわれるのはこのためです。地球の自然界では約90種類が見つかり、残りは加速器でつくられた人工元素です。2006年にはロシアとアメリカの共同チームが118番オガネソンの合成を報告し、2016年には日本の理化学研究所が合成した113番ニホニウムを含む4つが正式に命名されました。アジアで初めて命名権を得た元素です。人の体は質量でいえば酸素、炭素、水素、窒素がほとんどですが、鉄やヨウ素などの微量元素も欠かせません。

よくある質問

元素と化合物はどう違う?
元素は1種類の原子だけでできた物質(例:酸素O₂、鉄Fe)で、化合物は2種類以上の元素が化学的に結びついた物質(例:水H₂O)です。
119番元素もつくられる?
理化学研究所など複数の研究所が119番や120番の合成に挑んでいますが、まだ確認された成功はありません。原子核は重いほど非常に不安定になり、ほんの一瞬しか存在しないためです。

出典確認日:2026-10-26

参考文献

  1. Boyle, R. (1661). The Sceptical Chymist. London: J. Cadwell for J. Crooke.
  2. Lavoisier, A.-L. (1789). Traité élémentaire de chimie. Paris: Cuchet.
  3. Dalton, J. (1808). A New System of Chemical Philosophy, Part I. Manchester: R. Bickerstaff.
  4. Mendeleev, D. I. (1869). Sootnoshenie svoistv s atomnym vesom elementov [The relation between the properties and atomic weights of the elements]. Zhurnal Russkogo Khimicheskogo Obshchestva, 1, 60–77.
  5. Rutherford, E. (1911). The scattering of α and β particles by matter and the structure of the atom. Philosophical Magazine, 21(125), 669–688.
  6. Moseley, H. G. J. (1913). The high-frequency spectra of the elements. Philosophical Magazine, 26(156), 1024–1034.
  7. Seaborg, G. T. (1945). The chemical and radioactive properties of the heavy elements. Chemical & Engineering News, 23(23), 2190–2193.
  8. Burbidge, E. M., Burbidge, G. R., Fowler, W. A., & Hoyle, F. (1957). Synthesis of the elements in stars. Reviews of Modern Physics, 29(4), 547–650.
  9. Oganessian, Yu. Ts., et al. (2006). Synthesis of the isotopes of elements 118 and 116 in the 249Cf and 245Cm + 48Ca fusion reactions. Physical Review C, 74(4), 044602.

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この記事は2026年10月26日に最終更新されました。内容は広く知られた原典と教科書に基づいて整理していますが、レポートで引用する際は参考文献の原典を必ず確認してください。