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伝熱(伝導・対流・放射)

🔬 自然科学 執筆 CampusDown ウィキ編集部 最終更新
ひとことで言うと、伝熱とは温度差によって生じるエネルギーの移動であり、物質内の分子の相互作用による伝導、流れる流体が運ぶ対流、電磁波が運ぶ放射の三つの様式があります。熱力学はどれだけのエネルギーが移動するかを、伝熱はどれだけ速く移動するかを扱います。
目次
  1. 1. 伝導
  2. 2. 対流
  3. 3. 放射
  4. 4. 熱抵抗と複合伝熱
  5. 5. 関連する概念
  6. 6. 参考文献

伝導

伝導とは、物質全体が動くことなく、分子の衝突や自由電子を通じて熱が高温側から低温側へ移ることです。フーリエ(1822)が定式化したフーリエの法則によれば、熱流束は温度勾配に比例します(q = −k·dT/dx)。定数kは熱伝導率で、金属では大きく、空気や断熱材では小さくなります。冬に金属の取っ手が木よりも冷たく感じられるのはこのためです。

対流

対流とは、流れる流体(液体または気体)によって熱が運ばれることです。固体表面と流体の間の伝熱はニュートンの冷却法則 q = h(Ts − T∞) で表され、hは対流熱伝達率です。

  • 自然対流:温められた流体が密度差によって上昇することで生じる流れ(鍋の中の水、暖房器具の周りの空気)。
  • 強制対流:ファンやポンプが流体を動かす場合(扇風機、コンピュータの冷却)。一般にhはより大きくなります。

放射

放射とは、あらゆる物体がその温度に応じて放出する電磁波によって熱が運ばれることであり、媒質を必要としません。黒体が放出するエネルギーは絶対温度の4乗に比例し(シュテファン=ボルツマンの法則)、実際の表面では放射率ε(0〜1)を掛けて q = εσT⁴ となります。太陽光が宇宙の真空を横切って地球に届くのが代表的な例です。

熱抵抗と複合伝熱

実際の問題では三つの様式が同時に起こります。壁を通る熱損失のような定常一次元の伝導は、熱抵抗(R = L/kA)を用いて電気回路のように扱えます。複数の層と表面の対流の抵抗を直列に足し合わせて、全体の熱の流れを求めます。魔法瓶は真空層(伝導と対流を遮断)と銀めっき(放射を遮断)によって三つの様式すべてを減らしています。

関連する概念

伝熱は、エネルギー保存とエントロピーを扱う熱力学の法則を基礎としていますが、速さを扱う点で異なります。お湯が先に凍るというムペンバ効果の多くの説明も、蒸発、対流、容器との接触といった伝熱条件の違いに注目しています。

参考文献

  1. Fourier, J. (1822). Théorie analytique de la chaleur. Paris: Firmin Didot.
  2. Incropera, F. P., DeWitt, D. P., Bergman, T. L., & Lavine, A. S. (2007). Fundamentals of heat and mass transfer (6th ed.). Hoboken, NJ: Wiley.
  3. Callen, H. B. (1985). Thermodynamics and an introduction to thermostatistics (2nd ed.). New York: Wiley.

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この記事は2026年10月15日に最終更新されました。内容は広く知られた原典と教科書に基づいて整理していますが、レポートで引用する際は参考文献の原典を必ず確認してください。