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熱力学の法則

🔬 自然科学 執筆 CampusDown ウィキ編集部 最終更新
ひとことで言うと、熱力学の法則は、温度と熱平衡(第0法則)、エネルギー保存(第1法則)、エントロピーと過程の向き(第2法則)、絶対零度でのエントロピー(第3法則)を扱う四つの基本法則です。熱機関や冷蔵庫から化学反応、生物まで、エネルギーがやり取りされるあらゆる過程に適用されます。
目次
  1. 1. 第0法則:熱平衡と温度
  2. 2. 第1法則:エネルギー保存
  3. 3. 第2法則:エントロピーと過程の向き
  4. 4. 第3法則:絶対零度
  5. 5. 応用
  6. 6. 参考文献

第0法則:熱平衡と温度

物体AとBが熱平衡にあり、BとCが熱平衡にあるなら、AとCも熱平衡にあります。この法則により、温度計(B)で異なる物体の温度を比較できます。ほかの法則より基本的であるため、後に「第0」法則と名付けられました。

第1法則:エネルギー保存

系の内部エネルギーの変化は、系に加えられた熱から系がした仕事を引いたものに等しくなります(ΔU = Q − W)。この法則は19世紀半ば、ジュールの熱の仕事当量の実験とマイヤー、ヘルムホルツの研究によって確立されました。エネルギーの供給なしに仕事をする第一種永久機関は不可能です。

第2法則:エントロピーと過程の向き

第2法則は自然な過程の向きを定めます。古典的な表現が二つあります。

  • クラウジウスの表現:ほかに何の変化も残さずに、熱が低温の物体から高温の物体へ自発的に移ることはできない。
  • ケルビン・プランクの表現:単一の熱源から熱を受け取り、そのすべてを仕事に変える循環機関は存在しない(第二種永久機関は不可能)。

クラウジウス(1865)はエントロピーの概念を導入し、この法則を「孤立系のエントロピーは減少しない」と定式化しました。カルノー(1824)が分析した理想熱機関の最大効率は η = 1 − T低温/T高温(絶対温度)であり、実際の機関の効率はこれより低くなります。エントロピー概念の社会的な拡張についてはエントロピーの法則に続きます。

第3法則:絶対零度

ネルンストの熱定理(1906)から発展した第3法則は、温度が絶対零度(0 K)に近づくと系のエントロピーが一定の最小値に近づくと述べます。完全結晶のエントロピーは0 Kでゼロとみなすことができ、有限回の操作では絶対零度に到達できないことが導かれます。

応用

これらの法則は、熱機関や冷凍機の性能の計算、化学反応が自発的に進むかどうかの判断(ギブズ自由エネルギー)、生物のエネルギー代謝の記述に用いられます。ただし熱力学が扱うのは平衡状態とエネルギー収支であり、熱がどれだけ速く移動するかではありません。その速さは伝熱の主題です。

参考文献

  1. Carnot, S. (1824). Réflexions sur la puissance motrice du feu. Paris: Bachelier.
  2. Clausius, R. (1865). Über verschiedene für die Anwendung bequeme Formen der Hauptgleichungen der mechanischen Wärmetheorie. Annalen der Physik und Chemie, 125(7), 353-400.
  3. Fermi, E. (1937). Thermodynamics. New York: Prentice-Hall.
  4. Callen, H. B. (1985). Thermodynamics and an introduction to thermostatistics (2nd ed.). New York: Wiley.

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この記事は2026年10月15日に最終更新されました。内容は広く知られた原典と教科書に基づいて整理していますが、レポートで引用する際は参考文献の原典を必ず確認してください。