メンデレーエフの空欄
19世紀半ばまでに60ほどの元素が知られていましたが、整理する方法がありませんでした。1869年、ロシアのドミトリ・メンデレーエフは元素を原子量の順に並べると似た性質が周期的に繰り返されることに気づき、表を作りました。彼の天才は、合わない場所を空欄にして未発見元素の性質を予言した点にあります。「エカケイ素」と呼んだ元素は1886年にゲルマニウムとして発見され、原子量も密度も予言とほぼ同じでした。同じころドイツのロータル・マイヤーも似た表を作りましたが、大胆な予言によってメンデレーエフが「周期表の父」と呼ばれ、101番元素メンデレビウムは彼の名にちなみます。
表の読み方
1913年、英国のヘンリー・モーズリーはX線の分析で、元素の本当の順番は原子量ではなく原子核の陽子の数、つまり原子番号であることを示しました。横の行「周期」は電子殻の数を、縦の列「族」は最外殻の電子配置を表し、同じ族の元素は化学的性質が似ています。1族のアルカリ金属(ナトリウム・カリウム)は水と激しく反応し、17族のハロゲン(フッ素・塩素)は反応性の高い非金属、18族の貴ガス(ヘリウム・ネオン)はほとんど反応しません。左と中央が金属、右上が非金属で、その境にケイ素などの半金属があります。下に別置きされた2行はランタノイドとアクチノイドです。
118の元素とその起源
2016年に国際純正・応用化学連合(IUPAC)が113番ニホニウム、115番モスコビウム、117番テネシン、118番オガネソンの名前を確定し、第7周期がすべて埋まりました。ニホニウムは理化学研究所が合成した、アジア初の命名元素です。92番ウランより重い元素の多くは加速器で作られ、半減期が1秒に満たないものも少なくありません。自然界の元素は宇宙で段階的に生まれました。水素とヘリウムはビッグバン直後に、鉄までは恒星内部の核融合で、金や白金のような重い元素は超新星爆発や中性子星の合体で作られました。私たちの体の炭素や酸素も、はるか昔に星の中で作られたものです。
よくある質問
- 周期表はなぜあの形なのですか?
- 電子が入る軌道(s・p・d・f)の構造に従っているからです。sブロック2列、pブロック6列、dブロック10列が本体にあり、14列のfブロックは表が横に広がりすぎないよう下に置かれています。
- 119番元素は作られる可能性がありますか?
- 日本・米国・ロシアの研究チームが119番・120番の合成に挑んでいます。成功すれば第8周期が始まりますが、寿命が極めて短く確認は非常に難しいです。
出典確認日:2026-10-26
参考文献
- Mendeleev, D. (1869). On the relationship of the properties of the elements to their atomic weights. Zhurnal Russkogo Khimicheskogo Obshchestva, 1, 60–77.
- Moseley, H. G. J. (1913). The high-frequency spectra of the elements. Philosophical Magazine, 26(156), 1024–1034.
- IUPAC (2016). IUPAC is naming the four new elements nihonium, moscovium, tennessine, and oganesson. iupac.org.
