歴史
1807年、英国の化学者ハンフリー・デービーは溶かした苛性カリに電流を流し、初めて金属カリウムを取り出しました。英語名potassiumは植物の灰を壺(pot)で浸出した「ポタッシュ」から、元素記号Kはアラビア語の「アルカリ」に由来するラテン語kaliumから来ています。20世紀には細胞膜電位をつくる役割が明らかになり、1980年代の国際研究INTERSALTは尿中ナトリウム・カリウム比と血圧の関係を示しました。
体での働き
細胞はナトリウム・カリウムポンプでカリウムを内側に、ナトリウムを外側に集めて電気的な差をつくり、これが神経の信号、筋肉の収縮、規則正しい心拍を支えます。カリウムを十分に摂ると尿へのナトリウム排出が増え、血圧が下がり脳卒中のリスクも減ります。バナナ、じゃがいも、さつまいも、ほうれん草、豆、トマト、アボカド、ヨーグルトに多く含まれます。
不足と過剰
激しい嘔吐・下痢や利尿薬は低カリウム血症を招き、脱力、こむら返り、不整脈を起こすことがあります。逆に腎機能が落ちるとカリウムを排出できず高カリウム血症となり、突然の心停止につながる危険があります。慢性腎臓病の人や一部の降圧薬(ACE阻害薬など)を飲む人は、野菜をゆでこぼしてカリウムを減らし、減塩塩(塩化カリウム)やサプリは医師に相談しましょう。マグネシウムが不足するとカリウムも補正されにくくなります。
この記事は一般的な健康情報であり、診断や治療に代わるものではありません。症状が続く場合は医師に相談してください。
よくある質問
- バナナ1本のカリウムは?
- 中サイズ1本で約400mgです。
- カリウムのサプリを飲んでもいい?
- 健康な人は食事で十分なことが多く、サプリは腎機能と服用中の薬を確認したうえで医師の指示に従いましょう。
出典確認日:2026-10-26
参考文献
- Institute of Medicine. (2019). Dietary Reference Intakes for Sodium and Potassium. National Academies Press.
- Aburto, N. J., et al. (2013). Effect of increased potassium intake on cardiovascular risk factors and disease. BMJ, 346, f1378.
- Davy, H. (1808). On some new phenomena of chemical changes produced by electricity. Philosophical Transactions of the Royal Society, 98, 1–44.
