診断の歴史
脈の乱れは古代中国やギリシャの医師も指先で感じ取っていましたが、原因が見えるようになったのは1903年、オランダのアイントホーフェンが弦線電流計で心電図を記録してからです。彼は1924年にノーベル賞を受け、続いて英国のトーマス・ルイスが心電図で心房細動などを体系的に分類しました。1958年の植込み型ペースメーカー、1980年のミロウスキーによる植込み型除細動器(ICD)、1990年代のカテーテルアブレーションが治療を大きく変え、今ではスマートウォッチでも不整脈をスクリーニングできます。
種類と症状
最も多いのは脈が一拍早く打つ期外収縮で、「ドキン」「脈が飛ぶ」感じがしますが多くは心配ありません。頻脈のうち心房細動は脳梗塞のリスクを約5倍に高め、発作性上室頻拍は突然始まり突然止まります。心室頻拍・心室細動は心筋梗塞後に起こりやすく、突然死につながることがあります。徐脈はめまい、失神、倦怠感の原因になります。カフェイン、飲酒、睡眠不足、ストレス、甲状腺機能亢進症、電解質異常がよくある誘因です。
検査と治療
症状が出ているときの心電図が最も重要で、まれな発作には24時間ホルター心電図や貼り付け型・植込み型の記録計を使います。無害な期外収縮は誘因を減らすだけで十分なことが多いです。頻脈にはβ遮断薬や抗不整脈薬を用い、再発を繰り返すなら原因回路を焼くカテーテルアブレーションで根治を目指します。高度な徐脈にはペースメーカー、致死的不整脈のリスクが高ければICD、心房細動では脳梗塞予防の抗凝固薬が必要になることがあります。失神や胸痛を伴う場合はすぐ受診してください。
この記事は一般的な健康情報であり、診断や治療に代わるものではありません。症状が続く場合は医師に相談してください。
よくある質問
- スマートウォッチの通知は信頼できますか?
- 心房細動のスクリーニングには比較的正確ですが、確定診断は医療機関の心電図で行います。
- スポーツをしていて脈が50回です。
- 鍛えられた心臓の生理的な徐脈のことが多く、めまいや失神がなければたいてい問題ありません。
出典確認日:2026-10-26
参考文献
- Zeppenfeld, K., et al. (2022). 2022 ESC Guidelines for ventricular arrhythmias and the prevention of sudden cardiac death. European Heart Journal, 43(40), 3997–4126.
- Joglar, J. A., et al. (2024). 2023 ACC/AHA/ACCP/HRS Guideline for the diagnosis and management of atrial fibrillation. Circulation, 149(1), e1–e156.
- Einthoven, W. (1903). Die galvanometrische Registrirung des menschlichen Elektrokardiogramms. Pflügers Archiv, 99, 472–480.
