概念の成り立ち
19世紀初め、フランスの化学者シュヴルールが動物の脂肪はグリセロールと脂肪酸からできていることを突き止め、それが「トリ・グリセリド」という名前の由来になりました。その後リポタンパク電気泳動が登場し、フレドリクソン(1967年)が脂質異常症を型分類したことで、中性脂肪が極端に高い型が急性膵炎を起こしやすいことがわかりました。長く動脈硬化の主役はLDLコレステロールとされてきましたが、遺伝学研究やREDUCE-IT試験を経て、中性脂肪を多く含むリポタンパクも独立した危険因子と考えられるようになっています。
基準値と原因
日本動脈硬化学会のガイドラインでは空腹時150mg/dL以上、随時175mg/dL以上を高トリグリセライド血症とし、500mg/dL以上は膵炎予防のため速やかな治療が必要です。余った糖質やアルコールは肝臓で中性脂肪に変わるため、甘い飲み物、飲み過ぎ、食べ過ぎが最もよくある原因です。内臓脂肪型肥満、糖尿病、甲状腺機能低下症なども値を押し上げ、重なるとメタボリックシンドロームや脂肪肝につながります。
下げるには
中性脂肪は生活習慣の改善に最も早く反応する脂質です。節酒、砂糖・果汁・白米やパンの量を見直し、体重を5〜10%落とすだけで2〜5割下がることも珍しくありません。青魚に含まれるオメガ3脂肪酸や、週150分以上の有酸素運動も効果的です。それでも高い場合は、医師がフィブラート系薬やEPA製剤、スタチンなどを検討します。
この記事は一般的な健康情報であり、診断や治療に代わるものではありません。症状が続く場合は医師に相談してください。
よくある質問
- 検査前は絶食が必要ですか?
- 食後に大きく上がるため、通常は10時間以上の絶食後に測ります。
- やせていても中性脂肪は高くなりますか?
- はい。飲酒や糖質の多い食事、体質によって体重に関係なく高くなることがあります。
出典確認日:2026-10-26
参考文献
- Virani, S. S., et al. (2021). 2021 ACC Expert Consensus Decision Pathway on the management of ASCVD risk reduction in patients with persistent hypertriglyceridemia. JACC, 78(9), 960–993.
- Bhatt, D. L., et al. (2019). Cardiovascular risk reduction with icosapent ethyl for hypertriglyceridemia (REDUCE-IT). NEJM, 380(1), 11–22.
- 한국지질·동맥경화학회. (2022). 이상지질혈증 진료지침 제5판.
