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磁場

🔬 自然科学 執筆 CampusDown ウィキ編集部 最終更新
磁場は、磁石や動く電荷(電流)のまわりに生じ、ほかの磁石や電流に力を及ぼす空間の性質で、単位はテスラ(T)です。
目次
  1. 1. 磁場とは
  2. 2. 電磁気学の誕生
  3. 3. 地球の磁場と身近な磁場
  4. 4. よくある質問
  5. 5. 参考文献

磁場とは

棒磁石の上に紙を置いて砂鉄をまくと、N極から出てS極に入る曲線模様ができます。これが磁場の向きを表す磁力線です。磁場は磁石だけでなく電流が流れる導線のまわりにも生じ、その中を動く電荷は進行方向に垂直な力(ローレンツ力)を受けます。磁石が磁性を持つ根本的な理由は、電子のスピンや軌道運動が生む小さな磁気モーメントが同じ向きにそろうことです。磁場の強さはテスラで測り、場所によって桁違いに異なります。なお日本の高校物理では「磁場」、電気工学では「磁界」と呼ぶことが多いです。

対象磁場の強さ
地球表面25–65 µT
冷蔵庫の磁石~5 mT
MRI装置1.5–3 T
中性子星(マグネター)10⁹–10¹¹ T

電磁気学の誕生

1600年、イギリスのウィリアム・ギルバートは『磁石論』で地球そのものが巨大な磁石だと主張しました。1820年、デンマークのエルステッドは講義中、電流を流した導線のそばで方位磁針が振れることに気づき、電気と磁気のつながりを示しました。1831年にはファラデーが、磁場が変化すると電流が生じる電磁誘導を発見し、発電機や変圧器の原理となりました。1865年、マクスウェルはこれらを4つの方程式にまとめ、光が電磁波であることを明らかにしました。20世紀には超伝導体が磁場を排除するマイスナー効果が発見され、リニアモーターカーなどの磁気浮上技術につながりました。

地球の磁場と身近な磁場

地球の磁場は、外核の高温の液体鉄が対流して電流を生む「ダイナモ作用」で維持されています。この磁場は太陽風や宇宙線の荷電粒子をそらして大気と生命を守り、極地方に引き込まれた粒子はオーロラを生みます。磁北極は毎年数十kmずつ移動し、地層の記録からはN極とS極が入れ替わる地磁気逆転が数十万年に一度起きてきたことが分かっています。最後の逆転(約77万年前)の証拠が千葉県で見つかり、地質時代「チバニアン」の名の由来になりました。渡り鳥やウミガメは地磁気を感じて方角を知るとされます。モーター、スピーカー、ハードディスク、IH調理器、MRIはどれも磁場を利用しています。

よくある質問

磁場は体に悪いですか?
家電や送電線の磁場は国際的な基準値よりはるかに弱く、健康への影響は確認されていません。MRIのような強い磁場では金属の埋め込み物の事前確認が必要です。
地球の磁場がなくなるとどうなりますか?
急に消えることはありませんが、大きく弱まると人工衛星や電力網が宇宙天気の影響を受けやすくなり、長期的には太陽風で大気が削られるおそれがあります。

出典確認日:2026-10-26

参考文献

  1. Gilbert, W. (1600). De Magnete. London: Peter Short.
  2. Maxwell, J. C. (1865). A dynamical theory of the electromagnetic field. Phil. Trans. R. Soc. Lond., 155, 459–512.
  3. Glatzmaier, G. A., & Roberts, P. H. (1995). A three-dimensional self-consistent computer simulation of a geomagnetic field reversal. Nature, 377, 203–209.
  4. Purcell, E. M., & Morin, D. J. (2013). Electricity and Magnetism (3rd ed.). Cambridge University Press.
  5. Ørsted, H. C. (1820). Experimenta circa effectum conflictus electrici in acum magneticam. Copenhagen.
  6. Faraday, M. (1832). Experimental researches in electricity. Phil. Trans. R. Soc. Lond., 122, 125–162.
  7. Meissner, W., & Ochsenfeld, R. (1933). Ein neuer Effekt bei Eintritt der Supraleitfähigkeit. Naturwissenschaften, 21, 787–788.
  8. Larmor, J. (1919). How could a rotating body such as the Sun become a magnet? Reports of the British Association, 159–160.
  9. Wiltschko, W., & Wiltschko, R. (2005). Magnetic orientation and magnetoreception in birds and other animals. Journal of Comparative Physiology A, 191, 675–693.

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この記事は2026年10月26日に最終更新されました。内容は広く知られた原典と教科書に基づいて整理していますが、レポートで引用する際は参考文献の原典を必ず確認してください。