愛の言語とは
愛の言語(ラブランゲージ)とは、アメリカの牧師でカウンセラーのゲーリー・チャップマンが1992年の著書『The Five Love Languages』(邦訳『愛を伝える5つの方法』)で示した考え方です。人によって愛を表現し、感じとる主な方法がちがうため、相手に伝わる「言語」で愛を伝えることが大切だ、と説きます。SNSで「ラブランゲージ診断」が話題になるなど、日本でも若い世代を中心に知られるようになりました。
- 提唱者
- ゲーリー・チャップマン
- 出版
- 1992年
- ポイント
- 相手の「言語」で愛を伝える
- 関連
- スタンバーグの愛の三角理論、ゴットマンの「4つの危険要因」
5つの愛の言語
| 言語 | 例 |
|---|---|
| 肯定的な言葉 | 「ありがとう」「今日も素敵だね」などのほめ言葉や励まし |
| クオリティ・タイム | スマホを置いて相手に集中する時間 |
| 贈り物 | 値段より「自分のことを考えてくれた」と感じられるもの |
| サービス行為 | 家事や送り迎えなど、相手の負担を減らす行動 |
| 身体的なふれあい | 手をつなぐ、ハグなどのスキンシップ |
「言わなくてもわかるはず」と考えがちな夫婦こそ、どんなときに愛されていると感じるかを言葉にしてみるきっかけになります。
科学的にはどうなのか
2024年、インペット、パク、ミューズは学術誌『Current Directions in Psychological Science』の論文で、この本の3つの前提、つまり①人にはそれぞれ1つの主な言語がある、②言語はちょうど5つである、③おたがいの言語を合わせると満足度が高まる、という主張は実証研究で十分に支持されていないとまとめました。多くの人は5つすべてを大切にしており、「言語が一致するかどうか」の効果も一貫して見られませんでした。
愛は学ぶべき外国語というより、バランスのとれた食事に近い。炭水化物だけでは健康でいられないように、よい関係には一緒に過ごす時間、感謝、愛情表現、助けあい、特別に扱われる感覚がまんべんなく必要だ、と研究者たちは提案しています。それでも「私はこんなときに愛されていると感じる」と話しあうきっかけになる点は、愛の言語の大きな長所です。
使うときの注意
「私は贈り物タイプだから」と1つにこだわると、ほかの表現を見のがしてしまいます。診断結果はあくまで会話のきっかけとし、相手が実際に何を求めているかを直接たずねるのがよいでしょう。気持ちはアイメッセージで伝えると、けんかになりにくくなります。
よくある質問
- 愛の言語診断は正確ですか?
- 心理検査としての妥当性は十分に確かめられていません。自己理解の参考として使いましょう。
- 言語がちがうカップルは相性が悪いのですか?
- いいえ。研究では、言語が「合うか」よりも、いろいろな愛情表現を日ごろからやりとりしているかのほうが重要でした。
- 子どもにも使えますか?
- チャップマンは子ども向けの本も書いています。ただし子どもにも、さまざまな形の愛情がまんべんなく必要です。
参考文献
- Chapman, G. (1992). The five love languages: How to express heartfelt commitment to your mate. Chicago: Northfield Publishing.
- Impett, E. A., Park, H. G., & Muise, A. (2024). Popular psychology through a scientific lens: Evaluating love languages from a relationship science perspective. Current Directions in Psychological Science, 33(2), 87–92.
- Bunt, S., & Hazelwood, Z. J. (2017). Walking the walk, talking the talk: Love languages, self-regulation, and relationship satisfaction. Personal Relationships, 24(2), 280–290.
