合同会社とは
合同会社(LLC)とは、会社に出資した社員が出資額の範囲でのみ責任を負う(有限責任)一方で、会社の内部のルールを組合のように定款で自由に決められる会社の形態です。アメリカのLLC(limited liability company)を参考に、2006年5月施行の会社法で導入されたため「日本版LLC」とも呼ばれます。会社法上は、合名会社・合資会社とともに持分会社に分類されます。なお、会社法の施行で有限会社の新設はできなくなり、既存の有限会社は「特例有限会社」として残っています。
📌 ひと目でわかる
- 根拠
- 会社法575条以下
- 導入
- 2006年5月
- 責任
- 社員全員が有限責任
- 特徴
- 定款自治、取締役会・監査役は不要
株式会社とのちがい
| 項目 | 株式会社 | 合同会社 |
|---|---|---|
| 出資者の責任 | 有限責任 | 有限責任 |
| 出資者の呼び名 | 株主 | 社員 |
| 持分の譲渡 | 原則自由 | 原則としてほかの社員全員の同意が必要 |
| 機関 | 株主総会、取締役など | 業務執行社員のみでよい |
| 利益の配分 | 出資比率(株式数)に応じる | 定款で自由に決められる |
| 設立時の登録免許税 | 最低15万円 | 最低6万円 |
| 定款の公証人認証 | 必要 | 不要 |
| 決算公告 | 必要 | 不要 |
メリットとデメリット
- メリット:設立費用が安く手続きも簡単で、決算公告の義務もありません。利益の配分や意思決定のしかたを出資比率と切りはなして決められるため、技術やアイデアをもつ人と資金をもつ人がいっしょに起業するのに向いています。
- デメリット:株式を発行できないため上場ができず、大規模な資金調達には向きません。「株式会社」にくらべて知名度や信用の面で不利だと感じる人もいます。必要になれば株式会社に組織変更できます。
アップルやアマゾン、グーグルの日本法人も合同会社です。外資系企業が日本法人に合同会社を選ぶのは、決算公告が不要で、本社の意思決定をそのまま反映しやすいからです。近年は新しく設立される会社のおよそ4社に1社が合同会社といわれるほど、身近な形態になりました。
各国との比較
| 国 | 名称 | 特徴 |
|---|---|---|
| 韓国 | 有限責任会社(2012年〜) | 商法287条の2以下。日本と同様に定款自治が特徴で、法人税が課される |
| アメリカ | LLC(1977年ワイオミング州が最初) | 州法で設立。1997年の連邦税法「チェック・ザ・ボックス」規則で、パススルー課税を選べる |
| 中国 | 有限责任公司 | 名前は似ているが、日本の株式会社(非公開会社)に近い一般的な会社形態 |
日本の合同会社には、アメリカのLLCのようなパススルー課税はなく、株式会社と同じく法人税が課されます。パススルー課税を利用したい場合には、2005年に導入された有限責任事業組合(LLP)という別の制度があります。
よくある質問
- 合同会社と有限会社は同じですか?
- ちがいます。有限会社は2006年以降は新設できず、既存のものは特例有限会社として株式会社の一種として扱われています。
- 合同会社から株式会社に変えられますか?
- はい。総社員の同意などの手続きを経て、株式会社に組織変更できます。
- 社員の責任が無限になることはありますか?
- 原則は有限責任ですが、会社を濫用した場合などは法人格否認の法理によって個人が責任を負うことがあります。
参考文献
- 대한민국 「상법」 제287조의2~제287조의45(2011. 4. 14. 개정, 2012. 4. 15. 시행).
- 日本「会社法」第575条〜第675条(持分会社).
- Wyoming Limited Liability Company Act (1977).
- U.S. Treasury Regulations § 301.7701-3 ("check-the-box", effective 1997).
