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のれんの減損

💼 経営学 執筆 CampusDown ウィキ編集部 最終更新
のれんの減損とは、M&Aで計上したのれんの価値が想定より下がったときに、帳簿価額を引き下げてその差額を損失として計上する会計処理です。 日本基準ではのれんを20年以内で償却しつつ、減損の兆候があれば減損を判定します。
目次
  1. 1. のれんとのれんの減損
  2. 2. 日本基準とIFRSのちがい
  3. 3. 減損テストの流れ(IFRS)
  4. 4. 投資家のチェックポイント
  5. 5. よくある質問
  6. 6. 参考文献

のれんとのれんの減損

のれんとは、ほかの会社を買収したときに、支払った対価が受け入れた純資産の時価を上回る部分のことです。ブランドや顧客基盤、シナジーへの期待など、個別に切り出せない価値に対価を払ったと考えます。たとえば純資産の時価が700億円の会社を1,000億円で買えば、のれんは300億円です。その後、買収した事業が想定どおりに稼げないと、のれんの帳簿価額を引き下げ、差額を減損損失として計上します。これがのれんの減損です。

📌 ひと目でわかる
日本基準
20年以内で規則的に償却+減損
IFRS
償却せず、毎期減損テスト
単位
資金生成単位
戻入れ
のれんは不可

日本基準とIFRSのちがい

項目日本基準IFRS(IAS 36)
償却20年以内の効果が及ぶ期間で定額償却償却しない
減損の判定減損の兆候がある場合に、割引前将来キャッシュ・フローで判定毎期(兆候がなくても)回収可能価額と比較
戻入れ不可のれんは不可

日本基準では毎期の償却で少しずつ費用化されるため、一度に巨額の減損が出にくい一方、IFRSでは償却がないぶん、業績悪化時に大きな減損が一気に出やすい傾向があります。IFRSを任意適用する日本企業が増えるなかで、この差は決算を見るうえで重要です。

減損テストの流れ(IFRS)

  1. のれんを、シナジーの恩恵を受ける資金生成単位に配分します。
  2. 資金生成単位の帳簿価額と回収可能価額(使用価値と、処分コスト控除後の公正価値のいずれか高い方)を比べます。
  3. 帳簿価額が上回れば差額を減損損失として認識し、まずのれんから減らします。

のれんの減損は「失敗した買収の通信簿」とも呼ばれます。2019年、米クラフト・ハインツはクラフトやオスカー・マイヤーのブランドなどで約154億ドルの減損を計上し、株価は1日で20%以上下落しました。大きな減損は、経営陣が買収時に高く買いすぎたと認めることでもあります。

投資家のチェックポイント

  1. 純資産に対するのれんの大きさ:のれんが大きいと、一度の減損で自己資本が大きく減りかねません。
  2. 前提条件:注記の割引率や成長率が楽観的すぎないか確認しましょう。
  3. キャッシュは出ていかない:減損損失は非資金費用で、営業キャッシュ・フローには直接影響しません。

よくある質問

日本基準でものれんの減損テストは毎年必要ですか?
日本基準では毎期の償却が前提で、減損の兆候がある場合に減損の判定を行います。
自社で育てたブランドはのれんになりますか?
いいえ。自己創設のれんは資産計上できず、のれんは企業結合でのみ生じます。

参考文献

  1. IFRS Foundation, IAS 36 Impairment of Assets; IFRS 3 Business Combinations (ifrs.org).
  2. 한국회계기준원, K-IFRS 제1036호 「자산손상」, 제1103호 「사업결합」.
  3. FASB ASC 350 Intangibles—Goodwill and Other; ASU 2017-04 (Simplifying the Test for Goodwill Impairment); ASU 2014-02 (private company alternative).
  4. 企業会計基準委員会「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号)第32項、「固定資産の減損に係る会計基準」.
  5. 中华人民共和国财政部《企业会计准则第8号——资产减值》.

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この記事は2026年10月23日に最終更新されました。内容は広く知られた原典と教科書に基づいて整理していますが、レポートで引用する際は参考文献の原典を必ず確認してください。