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自己カテゴリー化理論

🧠 心理学 執筆 CampusDown ウィキ編集部 最終更新
自己カテゴリー化理論とは、人は状況に応じて自分を「独自の個人」とみることもあれば「ある集団の成員」とみることもあり、この自己カテゴリー化が変わると考え方や行動も変わるとする社会心理学の理論です。1980年代にジョン・ターナーらが社会的アイデンティティ理論を発展させて提唱しました。集団への同調、集団極化、ステレオタイプ、リーダーシップといった集団現象を、個人の認知過程から説明するのに使われています。
目次
  1. 1. 自己カテゴリーの水準と顕現性
  2. 2. メタコントラスト原理と脱個人化
  3. 3. 集団現象の説明と批判
  4. 4. よくある質問
  5. 5. 参考文献

自己カテゴリーの水準と顕現性

ターナーら(1987年)は、自己概念がいくつもの水準のカテゴリーから成ると考えました。他者と区別される「個人」水準、われわれと彼らを分ける「集団」水準、人間全体という「上位」水準です。どのカテゴリーがその時に際立つかは、そのカテゴリーをどれだけ使う準備ができているか(接近可能性)と、カテゴリーが現実の違いをうまく説明するか(適合性)によって決まります。社会的アイデンティティ理論が集団間関係と自尊心の動機に注目したのに対し、自己カテゴリー化理論は、人がいつ、なぜ自分を集団の成員と認識するのかという認知過程に焦点を当てました。

メタコントラスト原理と脱個人化

メタコントラスト原理とは、集団内の違いよりも集団間の違いが大きいとき、人はその区分をカテゴリーとして認識するという原理です。ハスラムとターナー(1992年)は、比較の対象が変わると同じ集団についてのステレオタイプも変わることを示しました。自分を集団の成員としてカテゴリー化すると、自分を集団の典型に近いものとみる「脱個人化」が起こります。これは個性を失うことではなく、集団のアイデンティティによって自分を定義する変化です。そのためオークスら(1994年)は、ステレオタイプは単なる偏りではなく文脈に合った判断でありうると主張しました。

集団現象の説明と批判

エイブラムスら(1990年)は、人は内集団とみなす人々の意見により強く同調し、集団討議の後には意見が集団の典型の方向へより極端になることを示しました。ホッグ(2000年)は、人は不確実性を減らすために自己カテゴリー化するという動機の理論を加えました。この理論はリーダーシップ、組織への同一視、群衆行動の研究へと広がりました。ただし、カテゴリーの顕現性を前もって予測するのが難しく、個人差や動機を十分に扱えていないという批判もあります。ホーンジー(2008年)は、二つの理論をまとめた「社会的アイデンティティ・アプローチ」の歴史と論点を整理しました。

よくある質問

自己カテゴリー化理論を簡単に言うと?
人は状況によって自分を「私」という個人とみたり、「私たち」という集団の一員とみたりし、どうみるかによって考え方や行動が変わるという理論です。
社会的アイデンティティ理論とはどう違いますか?
社会的アイデンティティ理論は主に集団間関係と肯定的なアイデンティティへの動機を扱い、自己カテゴリー化理論は主に、人がいつ、なぜ自分を集団の成員と認識するのかという認知過程を説明します。

出典確認日:2026-10-26

参考文献

  1. Turner, J. C., Hogg, M. A., Oakes, P. J., Reicher, S. D., & Wetherell, M. S. (1987). Rediscovering the Social Group: A Self-Categorization Theory. Oxford: Basil Blackwell. 自己カテゴリー化理論を初めて体系的に示した原典で、理論の基本概念を見るのに参考になります。
  2. Abrams, D., Wetherell, M., Cochrane, S., Hogg, M. A., & Turner, J. C. (1990). Knowing what to think by knowing who you are: Self-categorization and the nature of norm formation, conformity and group polarization. British Journal of Social Psychology, 29(2), 97–119. 内集団の規範への同調と集団極化を自己カテゴリー化で説明した実験で、社会的影響の研究を見るのに役立ちます。
  3. Haslam, S. A., & Turner, J. C. (1992). Context-dependent variation in social stereotyping 2: The relationship between frame of reference, self-categorization and accentuation. European Journal of Social Psychology, 22(3), 251–277. 比較の文脈によってステレオタイプが変わることを示した研究で、メタコントラスト原理を理解するのに参考になります。
  4. Turner, J. C., Oakes, P. J., Haslam, S. A., & McGarty, C. (1994). Self and collective: Cognition and social context. Personality and Social Psychology Bulletin, 20(5), 454–463. 個人的自己と集団的自己が文脈に応じて切り替わるという中心的主張を整理した論文で、自己概念の流動性を見るのに役立ちます。
  5. Oakes, P. J., Haslam, S. A., & Turner, J. C. (1994). Stereotyping and Social Reality. Oxford: Blackwell. ステレオタイプを偏りではなく文脈に応じたカテゴリー化とみた本で、ステレオタイプ研究の別の見方を知るのに参考になります。
  6. Hogg, M. A. (2000). Subjective uncertainty reduction through self-categorization: A motivational theory of social identity processes. European Review of Social Psychology, 11(1), 223–255. 不確実性を減らそうとする動機で自己カテゴリー化を説明した拡張理論で、動機の側面を見るのに役立ちます。
  7. Hornsey, M. J. (2008). Social identity theory and self-categorization theory: A historical review. Social and Personality Psychology Compass, 2(1), 204–222. 社会的アイデンティティ理論と自己カテゴリー化理論の関係と歴史を整理したレビューで、二つの理論を区別するのに参考になります。

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この記事は2026年10月27日に最終更新されました。内容は広く知られた原典と教科書に基づいて整理していますが、レポートで引用する際は参考文献の原典を必ず確認してください。