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原因帰属理論

🧠 心理学 執筆 CampusDown ウィキ編集部 最終更新
原因帰属理論は、人が自分や他人の行動、成功や失敗の原因をどのように推測するかを説明する社会心理学の理論です。 フリッツ・ハイダー(1958)に始まり、ケリーとワイナーが発展させました。
目次
  1. 1. 原因帰属とは
  2. 2. ハイダー:内的帰属と外的帰属
  3. 3. ケリーの共変モデル
  4. 4. ワイナーの達成帰属
  5. 5. 代表的な帰属バイアス
  6. 6. 日常での活かし方
  7. 7. よくある質問
  8. 8. 参考文献

原因帰属とは

原因帰属(attribution)とは、出来事の原因をどこに求めるかという判断です。友人が遅刻したとき、「だらしない性格だから」と考えることも「電車が遅れたから」と考えることもできます。原因帰属理論は、こうした推論のしかたと、それが感情や行動に与える影響を説明します。

📌 ひと目でわかる
提唱者
フリッツ・ハイダー(1958年)、ハロルド・ケリー、バーナード・ワイナー
核心
人は「素朴な科学者」として行動の原因を推論する
基本の区別
内的帰属(性格・能力・努力)と外的帰属(状況・運・課題)
代表的なバイアス
基本的な帰属の誤り、行為者-観察者バイアス、自己奉仕バイアス

ハイダー:内的帰属と外的帰属

ハイダーは日常の人々を素朴な心理学者と呼びました。私たちは行動の原因を、人の内側(内的帰属:性格、能力、努力)か外側(外的帰属:状況、運、課題の難しさ)に求めます。

ケリーの共変モデル

ケリーは、繰り返し観察できる場合、3つの情報から原因を判断すると考えました。例:「田中さんが今日の数学の授業で居眠りした」。

情報問い例
合意性他の人も同じか?他の生徒も居眠りしていた
弁別性この状況だけか?他の授業では寝ない
一貫性この状況ではいつもか?数学の授業ではいつも寝る

合意性・弁別性・一貫性がいずれも高ければ「授業が退屈」という外的帰属、合意性と弁別性が低く一貫性が高ければ「田中さんが疲れやすい人」という内的帰属になりやすくなります。

ワイナーの達成帰属

教育心理学でよく使われるのがワイナーの理論です。成功・失敗の原因を原因の所在(内的/外的)、安定性、統制可能性の3次元で整理します。

原因所在安定性統制可能性
能力内的安定統制不可能
努力内的不安定統制可能
課題の難しさ外的安定統制不可能
運外的不安定統制不可能

失敗を努力不足と考えれば次に頑張れますが、能力不足と考えるとあきらめやすくなります。これが学習性無力感とつながる点で、教員採用試験の教職教養でも頻出です。

代表的な帰属バイアス

  • 基本的な帰属の誤り:他人の行動を説明するとき、状況の力を軽く見て性格のせいにしすぎる傾向(ロス、1977)。ジョーンズとハリス(1967)の実験では、立場が割り当てられた作文だと知っていても、読み手は書き手が本当にその意見を持っていると判断しました。
  • 行為者-観察者バイアス:自分の行動は状況のせい、他人の行動は性格のせいと考える傾向。
  • 自己奉仕バイアス:成功は自分の実力、失敗は運や他人のせいにする傾向。

帰属は裁判や職場の評価にも影響します。同じ事故でも「不注意な人」と見るか「危険な仕組み」と見るかで、責任の判断が大きく変わることがあります。

日常での活かし方

  1. 子どもには「頭がいいね」より「工夫したね」「続けたね」と、変えられる原因をほめます。
  2. 同僚のミスを見たら、まず状況的な原因がなかったかを確認します。
  3. 自分の失敗は「今回、この部分で」何を変えられるかで整理します。

関連項目:社会的比較理論、第一印象と初頭効果。

よくある質問

内的帰属と外的帰属の違いは?
内的帰属は性格・能力・努力など本人の内側に、外的帰属は状況・運・課題の難しさなど外側に原因を求めることです。
基本的な帰属の誤りの例は?
急に割り込んできた車の運転手を「マナーの悪い人」と決めつけ、急病人を運んでいる可能性などを考えない場合です。
ワイナーの理論で望ましい帰属は?
失敗を努力や方法など、内的で変えられる(不安定・統制可能な)原因に帰属することが、次の意欲につながりやすいとされます。

参考文献

  1. Heider, F. (1958). The psychology of interpersonal relations. New York: Wiley.
  2. Kelley, H. H. (1973). The processes of causal attribution. American Psychologist, 28(2), 107–128.
  3. Ross, L. (1977). The intuitive psychologist and his shortcomings: Distortions in the attribution process. Advances in Experimental Social Psychology, 10, 173–220.
  4. Weiner, B. (1985). An attributional theory of achievement motivation and emotion. Psychological Review, 92(4), 548–573.
  5. Jones, E. E., & Harris, V. A. (1967). The attribution of attitudes. Journal of Experimental Social Psychology, 3(1), 1–24.

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この記事は2026年10月23日に最終更新されました。内容は広く知られた原典と教科書に基づいて整理していますが、レポートで引用する際は参考文献の原典を必ず確認してください。