歴史
1970〜80年代、ドイツのハラルド・ツア・ハウゼンは子宮頸がんがウイルスによるという仮説を追い続け、1983〜84年にがん組織からHPV16型と18型を見つけました。この発見で彼は2008年ノーベル生理学・医学賞を受賞し、がんをワクチンで予防する道が開かれました。2006年に米国で最初のHPVワクチン(ガーダシル)が承認され、日本では2013年に積極的勧奨が差し控えられた後、2022年に再開されました。
感染と病気
HPVは皮膚・粘膜の接触、主に性的接触でうつり、性経験のある人の多くが一生に一度は感染するほどありふれています。約90%は1〜2年で免疫により自然に消えますが、高リスク型が持続すると子宮頸がんや肛門がん、陰茎がん、中咽頭がんにつながることがあります。6型・11型などの低リスク型は尖圭コンジローマを、1・2・4型などは手足のいぼを作ります。
予防
2020年のスウェーデンの約170万人の研究では、17歳未満で接種した女性の浸潤性子宮頸がんのリスクが88%低くなりました。性経験の前に接種するほど効果が高く、男性も尖圭コンジローマや一部のがんを予防できます。ワクチンですべての型は防げないため、子宮頸がん検診を定期的に受けることも大切です。
この記事は一般的な健康情報であり、診断や治療に代わるものではありません。症状が続く場合は医師に相談してください。
よくある質問
- HPVに感染すると必ずがんになる?
- いいえ。多くは2年以内に自然に消え、高リスク型が長く持続した場合にがんのリスクが高まります。
- 大人になってからの接種にも効果はある?
- すでに感染した型には効果が小さいものの、未感染の型は予防できるため、26歳前後まで勧められることがあります。
出典確認日:2026-10-26
参考文献
- zur Hausen, H. (2009). Papillomaviruses in the causation of human cancers — a brief historical account. Virology, 384(2), 260–265.
- World Health Organization. (2024). Human papillomavirus and cancer (Fact sheet).
- Lei, J., et al. (2020). HPV vaccination and the risk of invasive cervical cancer. New England Journal of Medicine, 383(14), 1340–1348.
