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資源動員論

👥 社会学 執筆 CampusDown ウィキ編集部 最終更新
資源動員論とは、社会運動が起こり成功するには、人々の不満そのものよりも、お金、人手、組織、知識、ネットワークといった資源をどれだけ効果的に集め活用するかがより重要だとする社会運動論です。1970年代にジョン・マッカーシー、メイヤー・ゾールド、アンソニー・オバーショールらが発展させました。社会運動を合理的な組織活動とみなし、政治的機会構造論とともに現代の社会運動研究の基礎となりました。
目次
  1. 1. 理論の登場
  2. 2. 核心概念
  3. 3. 批判と意義
  4. 4. よくある質問
  5. 5. 参考文献

理論の登場

1960年代以前の社会運動研究は、運動を社会的緊張や不満から生じる非合理的な集合行動とみる傾向がありました。しかし研究者たちは、不満はどの社会にも常に存在するのに、運動は特定の時期にしか現れないことに注目しました。オバーショール(1973年)は、すでに存在する組織や社会的ネットワークが人々を動員しやすくすると考えました。マッカーシーとゾールド(1977年)は、運動の成功を説明するには不満よりも運動が資源をどのように集め配分するかを見るべきだと主張し、資源動員論を体系化しました。

核心概念

マッカーシーとゾールドは経済学の概念を借りて運動を分析しました。特定の目標を追求する公式組織を「社会運動組織」、同じ目標をもつ組織の集まりを「社会運動産業」と呼びました。組織は支持者と資源をめぐって互いに競争し協力します。また、直接の利益は得ないが資源を提供する「良心的支持者」の役割も強調しました。ジェンキンスとペロー(1977年)はアメリカの農業労働者運動を比較し、1960年代の運動の成功には労働組合やリベラル団体といった外部の支援が重要だったと分析しました。クレスとスノー(1996年)はホームレスの運動組織を分析し、資源と後援者の存在が組織の存続に影響すると報告しました。エドワーズとマッカーシー(2004年)は資源を道徳的、文化的、社会組織的、人的、物質的資源の五つに分類しました。

批判と意義

資源動員論は社会運動を合理的な組織活動とみることで運動研究を大きく発展させましたが、批判も受けました。参加者の感情、アイデンティティ、意味づけを軽視し、資源の乏しい集団の運動や自発的な抵抗をうまく説明できないという指摘です。ビュークラー(1993年)は、こうした限界とともに、アイデンティティや文化を強調する新しい社会運動論などの新たな流れを整理しました。ジェンキンス(1983年)のレビューのように、その後の研究は資源動員の観点を政治的機会構造やフレーミングの観点と結びつける方向へ発展しました。この理論は、組織が集合行為のジレンマやフリーライダー問題をどう克服するかを理解するのにも使われます。

よくある質問

資源動員論を簡単に言うと?
社会運動が成功するには不満だけでは足りず、お金、人、組織、ネットワークといった資源をうまく集めて活用しなければならないという理論です。不満は常にあるが、資源を動員できるときに運動が起こると考えます。
資源動員論の限界は何ですか?
参加者の感情やアイデンティティ、文化的な意味を十分に扱えないという批判があります。また、資源のほとんどない集団による自発的な抵抗をうまく説明できないという指摘もあります。

出典確認日:2026-10-26

参考文献

  1. McCarthy, J. D., & Zald, M. N. (1977). Resource mobilization and social movements: A partial theory. American Journal of Sociology, 82(6), 1212–1241. 資源動員論を体系化した原典で、社会運動組織や運動産業といった核心概念を知りたいときにまず参考になります。
  2. Oberschall, A. (1973). Social Conflict and Social Movements. Englewood Cliffs, NJ: Prentice-Hall. 既存の組織とネットワークが動員を容易にするという初期の議論で、理論のルーツを知りたいときに参考になります。
  3. Jenkins, J. C., & Perrow, C. (1977). Insurgency of the powerless: Farm worker movements (1946–1972). American Sociological Review, 42(2), 249–268. 外部からの支援が農業労働者運動の成否を分けたという事例研究で、外部資源の役割を具体的に理解するのに役立ちます。
  4. Jenkins, J. C. (1983). Resource mobilization theory and the study of social movements. Annual Review of Sociology, 9, 527–553. 初期の資源動員研究を幅広くまとめたレビューで、理論の主な論点を一目でつかみたいときに参考になります。
  5. Buechler, S. M. (1993). Beyond resource mobilization? Emerging trends in social movement theory. The Sociological Quarterly, 34(2), 217–235. 資源動員論の限界と新しい社会運動論などの代替理論を比較しており、理論を批判的に見るのに役立ちます。
  6. Cress, D. M., & Snow, D. A. (1996). Mobilization at the margins: Resources, benefactors, and the viability of homeless social movement organizations. American Sociological Review, 61(6), 1089–1109. 資源がほとんどないホームレスの運動組織を分析しており、どの資源が組織の存続に実際に重要かがわかります。
  7. Edwards, B., & McCarthy, J. D. (2004). Resources and social movement mobilization. In D. A. Snow, S. A. Soule, & H. Kriesi (Eds.), The Blackwell Companion to Social Movements (pp. 116–152). Oxford: Blackwell. 道徳的・文化的・社会組織的・人的・物質的資源の五つの類型を整理しており、資源の概念を細かく理解するのに参考になります。

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この記事は2026年10月27日に最終更新されました。内容は広く知られた原典と教科書に基づいて整理していますが、レポートで引用する際は参考文献の原典を必ず確認してください。