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半導体

🔬 自然科学 執筆 CampusDown ウィキ編集部 最終更新
半導体は導体と絶縁体の中間程度に電気を通し、不純物や電圧・光によって電気の通しやすさを調節できる物質で、代表はシリコンです。
目次
  1. 1. 偶然の発見からトランジスタへ
  2. 2. バンドギャップとドーピング
  3. 3. ムーアの法則と半導体産業
  4. 4. よくある質問
  5. 5. 参考文献

偶然の発見からトランジスタへ

1833年、マイケル・ファラデーは硫化銀が温度が上がるほど電気をよく通すという、金属とは逆の性質を記録しました。1874年、ドイツのカール・フェルディナント・ブラウンは一部の金属硫化物が一方向にしか電流を流さない「整流作用」を発見し、これは初期のラジオの鉱石検波器に使われました。その理由は量子力学の登場を待たねばならず、1931年にアラン・ウィルソンがバンド理論で半導体を説明しました。1947年12月、ベル研究所のジョン・バーディーンとウォルター・ブラッテンがゲルマニウムで最初のトランジスタを作り、翌年ウィリアム・ショックレーが接合型トランジスタの理論を示して、3人は1956年にノーベル物理学賞を受けました。1958〜59年にはジャック・キルビーとロバート・ノイスが集積回路を、1959年には韓国出身のダウォン・カーン(姜大元)とモハメド・アタラが今日のチップの基本素子MOSFETを作りました。日本では江崎玲於奈がトンネルダイオードで1973年のノーベル賞を受けています。

バンドギャップとドーピング

電子が電気を運ぶには「伝導帯」に上がる必要があり、そこまでのエネルギーの隔たりをバンドギャップといいます。金属にはなく、絶縁体では大きすぎ、半導体はほどよく狭いため、熱や光で一部の電子が飛び移れます。シリコンにリンを少し加えると電子が余るn型、ホウ素を加えると電子の抜け穴(正孔)ができるp型になります。両者を接合したpn接合は電流を一方向にだけ流すダイオードになり、光で電気をつくる太陽電池(1954年ベル研究所)、逆に電気で光るLEDや半導体レーザーにもなります。1990年代に中村修二らが実現した青色LEDは白色LED照明を可能にし、赤﨑勇・天野浩とともに2014年のノーベル賞を受けました。

分類電気の通しやすさ例
導体非常に通す銅、銀、アルミニウム
半導体条件で調節できるシリコン、ゲルマニウム、ヒ化ガリウム
絶縁体ほとんど通さないガラス、ゴム、ダイヤモンド

ムーアの法則と半導体産業

1965年、ゴードン・ムーアは1つのチップに載る部品の数が毎年2倍になると予測し(1975年に2年ごとに修正)、この「ムーアの法則」は半世紀にわたって業界の目標になりました。今日の最先端チップには、爪ほどの面積に数百億個のトランジスタが入っています。半導体は情報を記憶するメモリ(DRAM、NANDフラッシュ)と、演算や制御を担うロジック(CPU、GPU、イメージセンサー)に分かれます。1980年代には日本がDRAMで世界をリードし、その後は韓国が、台湾のTSMCは設計をせず製造だけを請け負うファウンドリーの形を切り開きました。回路が数ナノメートルまで微細化するなか、極端紫外線(EUV)露光装置や希少素材の供給網が国家戦略の問題となり、廃電子機器から金属を取り戻す都市鉱山も注目されています。

よくある質問

なぜ半導体材料にシリコンが最も多く使われるの?
シリコンは砂から得られるほど豊富で、バンドギャップがほどよく、表面に良質な酸化膜(SiO₂)を簡単に作れるためMOSFETの製造に向いているからです。
ムーアの法則は終わったの?
トランジスタを小さくするペースは2010年代以降大きく鈍りました。代わりに3次元積層、複数チップを組み合わせるパッケージング、新材料などで性能向上を続けています。

出典確認日:2026-10-26

参考文献

  1. Braun, F. (1874). Über die Stromleitung durch Schwefelmetalle. Annalen der Physik und Chemie, 229(12), 556–563.
  2. Wilson, A. H. (1931). The theory of electronic semi-conductors. Proceedings of the Royal Society A, 133(822), 458–491.
  3. Bardeen, J., & Brattain, W. H. (1948). The transistor, a semi-conductor triode. Physical Review, 74(2), 230–231.
  4. Shockley, W. (1949). The theory of p-n junctions in semiconductors and p-n junction transistors. Bell System Technical Journal, 28(3), 435–489.
  5. Chapin, D. M., Fuller, C. S., & Pearson, G. L. (1954). A new silicon p-n junction photocell for converting solar radiation into electrical power. Journal of Applied Physics, 25(5), 676–677.
  6. Kilby, J. S. (1964). Miniaturized electronic circuits. U.S. Patent No. 3,138,743.
  7. Moore, G. E. (1965). Cramming more components onto integrated circuits. Electronics, 38(8), 114–117.
  8. Nakamura, S., Mukai, T., & Senoh, M. (1994). Candela-class high-brightness InGaN/AlGaN double-heterostructure blue-light-emitting diodes. Applied Physics Letters, 64(13), 1687–1689.
  9. Sze, S. M., & Ng, K. K. (2007). Physics of Semiconductor Devices (3rd ed.). Hoboken, NJ: Wiley.

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この記事は2026年10月26日に最終更新されました。内容は広く知られた原典と教科書に基づいて整理していますが、レポートで引用する際は参考文献の原典を必ず確認してください。