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きょうだい間の葛藤

👪 家族・児童学 執筆 CampusDown ウィキ編集部 最終更新
きょうだい間の葛藤とは、きょうだいが親の関心や愛情、時間やものを取りあって競いあい、嫉妬したりけんかしたりすることです。 自然な発達の一部ですが、親の不公平な扱いは葛藤を強めます。
目次
  1. 1. きょうだい間の葛藤とは
  2. 2. なぜ起こるのか
  3. 3. 「お兄ちゃんなんだから」の問題
  4. 4. 親の対応
  5. 5. よくある質問
  6. 6. 参考文献

きょうだい間の葛藤とは

きょうだい間の葛藤(sibling rivalry)とは、きょうだいが親の関心や愛情、時間、おもちゃなどの限られた資源をめぐって競いあい、嫉妬したり、けんかしたりすることです。多くの家庭で見られる自然な発達の一部で、けんかと仲なおりをくりかえすなかで、子どもは交渉や思いやり、気持ちのコントロールを学んでいきます。アドラーは早くから、生まれ順やきょうだい関係が性格に影響すると考えました。

📌 ひと目でわかる
英語
Sibling rivalry
代表的な研究
ダン&ケンドリック(1982年)
おもな原因
親の関心の取りあい
関連
アドラー心理学、家族システム論

なぜ起こるのか

  1. 下の子の誕生:イギリスの発達心理学者ジュディ・ダンとキャロル・ケンドリックは、下の子が生まれた家庭を観察し、多くの上の子に赤ちゃん返り(赤ちゃん言葉、哺乳びんをほしがる)やかんしゃくが見られることを記録しました。
  2. 親の不公平な扱い:扱いがちがうこと自体よりも、子どもがそれを「ずるい」「不公平だ」と感じたときに関係が悪くなります。大人になってからも影響が残るという研究があります。
  3. 気質や年齢差:年齢が近く同性のきょうだいほど比べられやすく、葛藤が大きくなりがちです。
  4. 家族のストレス:夫婦げんかや経済的な苦しさがあると、きょうだいげんかも増えます。

「お兄ちゃんなんだから」の問題

よくある言葉子どもに伝わる意味言いかえの例
「お兄ちゃんなんだから我慢して」ぼくの気持ちは大事じゃない「きみも使いたかったんだね。順番を決めようか」
「妹を見習いなさい」いつも比べられている「ここ、すごくがんばったね」
「どっちも悪い!」だれも話を聞いてくれない「一人ずつ、何があったか教えてくれる?」

公平とは、同じだけ分けることではありません。フェイバーとマズリッシュは著書『Siblings Without Rivalry』(1987年)で、一人ひとりの必要にあわせて接し、比べるかわりにその子自身を見るようにすすめました。「どっちが好き?」と聞かれたら、「あなたはあなただから大好き」が答えです。日本では、上の子だけと過ごす「上の子優先」の時間をつくる工夫も広く紹介されています。

親の対応

  1. 危険がなければ、すぐに審判をせず、子どもたちが自分で解決するのを見守ります。
  2. 介入するときは、それぞれの気持ちを受けとめ、「たたかない」などのルールははっきり示します。
  3. 子ども一人ひとりと親が二人きりで過ごす時間をつくります。
  4. 下の子が生まれる前から上の子に心の準備をさせ、お世話に参加する機会をつくります。

よくある質問

きょうだいげんかは、どんなときに心配すべきですか?
いつも一方だけがやられている、けがや強いおびえがくりかえされる場合は、きょうだい間のいじめとして介入や相談が必要です。
下の子が生まれてから、上の子が赤ちゃん返りしました。
よくある反応です。叱るより、上の子だけの時間や愛情を増やすと、たいていおさまっていきます。
まったく同じに扱わないと不公平ですか?
いいえ。年齢や必要に応じてちがう対応をしながら、その理由を説明することのほうが大切です。

参考文献

  1. Dunn, J., & Kendrick, C. (1982). Siblings: Love, envy, and understanding. Cambridge, MA: Harvard University Press.
  2. Faber, A., & Mazlish, E. (1987). Siblings without rivalry. New York: W. W. Norton.
  3. Jensen, A. C., Whiteman, S. D., Fingerman, K. L., & Birditt, K. S. (2013). "Life still isn’t fair": Parental differential treatment of young adult siblings. Journal of Marriage and Family, 75(2), 438–452.

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この記事は2026年10月23日に最終更新されました。内容は広く知られた原典と教科書に基づいて整理していますが、レポートで引用する際は参考文献の原典を必ず確認してください。