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カルテル政党

🏛️ 政治・行政学 執筆 CampusDown ウィキ編集部 最終更新
カルテル政党とは、既成政党が党員や市民社会よりも国家補助金のような国家資源に頼るようになり、表向きは競争しながらも実際には互いに協力して権力と資源を分け合い、新たな挑戦者を締め出す政党の形態をいいます。1995年にリチャード・カッツとピーター・メアが提唱しました。政党が社会を代表する組織から国家の一部のように変わったという主張で、政党不信やポピュリズム政党の台頭を説明するのによく使われます。
目次
  1. 1. 政党モデルの変化
  2. 2. カルテルの特徴と背景
  3. 3. 批判と意義
  4. 4. よくある質問
  5. 5. 参考文献

政党モデルの変化

カッツとメア(1995年)は、政党組織は時代とともに変わってきたと考えました。19世紀には少数の名望家を中心とする「名望家政党(幹部政党)」、20世紀初めには労働者などの大規模な党員に基づく「大衆政党」が現れました。キルヒハイマー(1966年)は、戦後の政党が特定の階級よりもすべての有権者を狙う「包括政党」へと変わったと説明しました。カッツとメアはその次の段階として、党員や党費が減った政党が国家補助金や公共放送へのアクセスといった国家資源に頼る「カルテル政党」が現れたと主張しました。この過程で政党は、社会と国家をつなぐ仲介者から国家の側へと移っていきました。

カルテルの特徴と背景

カルテル政党の特徴は、政党どうしの競争が抑えられ、選挙に勝っても負けても皆が一定の資源と地位を保障される点です。政党は政党助成の制度や選挙のルールを共同でつくり、新しい政党が入りにくくすることができます。ブライスとカッツ(2005年)は、グローバル化、独立した中央銀行、欧州統合によって経済政策の選択の幅が狭まり、主要政党の政策が似通ったことがカルテル化を後押ししたと説明しました。デッターベック(2005年)は西欧の複数の国を比べ、カルテル化の程度は国によって異なることを確かめました。

批判と意義

コーレ(1996年)は、政党間の競争はいまも激しく、国家補助金が必ずしも談合を意味するわけではないと批判しました。本当にカルテルがあるなら新しい政党は成功しにくいはずなのに、多くの国で新党が議席を得ていることも反論になりました。カッツとメア(2009年)はこうした批判に答え、カルテル化はむしろ市民の反感を招き、ポピュリズム政党が伸びる土壌になると改めて整理しました。メア(2013年)は政党と市民のあいだが空洞化していく「空白」を民主主義の危機と診断しました。この理論は、政党帰属意識の弱まりと社会的亀裂の政治の変化をあわせて理解するのに役立ちます。

よくある質問

カルテル政党を簡単に言うと?
既成政党が国のお金や制度に頼り、競争しているふりをしながら実際には地位を分け合い、新しい政党が割り込みにくくしているという概念です。
カルテル政党とポピュリズムはどんな関係ですか?
カッツとメアは、既成政党が似通って市民から遠ざかると、それに反発する有権者を集めるポピュリズム政党が伸びうると考えました。

出典確認日:2026-10-26

参考文献

  1. Kirchheimer, O. (1966). The transformation of the Western European party systems. In J. LaPalombara & M. Weiner (Eds.), Political Parties and Political Development (pp. 177–200). Princeton, NJ: Princeton University Press. 包括政党という概念を示した古典で、カルテル政党以前の政党の変化の流れを見るのに参考になります。
  2. Katz, R. S., & Mair, P. (1995). Changing models of party organization and party democracy: The emergence of the cartel party. Party Politics, 1(1), 5–28. カルテル政党という概念を初めて示した原典で、理論の中心的な主張を見るのに役立ちます。
  3. Koole, R. (1996). Cadre, catch-all or cartel? A comment on the notion of the cartel party. Party Politics, 2(4), 507–523. カルテル政党の概念に対する初期の批判で、概念の限界を見るのに参考になります。
  4. Blyth, M., & Katz, R. S. (2005). From catch-all politics to cartelisation: The political economy of the cartel party. West European Politics, 28(1), 33–60. グローバル化と経済政策の収斂がカルテル化を生んだとみた論文で、政治経済的な背景を見るのに役立ちます。
  5. Detterbeck, K. (2005). Cartel parties in Western Europe? Party Politics, 11(2), 173–191. 西欧4か国の事例でカルテル化の程度を検証した研究で、実証的な根拠を見るのに参考になります。
  6. Katz, R. S., & Mair, P. (2009). The cartel party thesis: A restatement. Perspectives on Politics, 7(4), 753–766. 批判に答えて理論を改めて整理した論文で、理論の最新の立場を確かめるのに参考になります。
  7. Mair, P. (2013). Ruling the Void: The Hollowing of Western Democracy. London: Verso. 政党と市民の距離が広がる現象を扱った本で、カルテル化が民主主義にもつ意味を見るのに役立ちます。

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この記事は2026年10月27日に最終更新されました。内容は広く知られた原典と教科書に基づいて整理していますが、レポートで引用する際は参考文献の原典を必ず確認してください。