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集団的罪悪感

🧠 心理学 執筆 CampusDown ウィキ編集部 最終更新
集団的罪悪感とは、自分が直接犯していなくても、自分の属する集団がほかの集団に対して犯した過ちのために感じる罪悪感をいいます。植民地支配、奴隷制、先住民への差別のような歴史的な加害が代表的な文脈です。1998年にベルトヤン・ドーシェらが実験で初めて示しました。集団的罪悪感は被害集団への謝罪や補償を支持させますが、人々がそれを避けようとする防衛反応も強いものです。
目次
  1. 1. 概念と最初の実験
  2. 2. 条件と防衛
  3. 3. 謝罪と補償、ほかの感情との違い
  4. 4. よくある質問
  5. 5. 参考文献

概念と最初の実験

社会的アイデンティティ理論によれば、人々は自分の集団を自分の一部とみなすため、集団の成功だけでなく過ちにも感情的に反応しえます。ドーシェら(1998年)は、オランダの参加者にインドネシア植民地支配の歴史を読ませました。否定的な側面だけを扱った文章より、肯定的な側面と否定的な側面が混ざったあいまいな文章を読んだとき、集団への同一視が強い人々は罪悪感をあまり感じませんでした。同一視が弱い人はかえって大きな罪悪感を感じ、その罪悪感は補償の支持につながりました。これは、集団を大切に思う人ほど過ちを認めにくいことを示しています。

条件と防衛

ウォールら(2006年)は、集団的罪悪感が生じるには、内集団を加害者として範疇化し、その加害が不当であり、内集団に責任があると認識する必要があるとまとめました。人々はこれらの条件を避けるやり方で罪悪感から逃れようとします。被害を小さくみせたり、被害者を責めたり、「昔のことだ」と距離を置いたり、内集団も被害を受けたと主張したりすることです。最後のやり方は競争的被害者意識とつながります。ブランスコムとドーシェ(2004年)の編著は、ドイツ、オーストラリア、米国などさまざまな社会でこうした過程がどう現れるかを扱いました。

謝罪と補償、ほかの感情との違い

マクガーティら(2005年)は、オーストラリアの非先住民の集団的罪悪感が、政府が先住民に公式に謝罪することへの支持を予測することを示しました。ブラウンら(2008年)は、チリで先住民マプチェに対する罪悪感は補償の支持を、恥は主に距離を置くことやイメージ回復の動機を予測することを示しました。アイヤーら(2003年)は、罪悪感が自分に焦点を当てた感情であるため、直接の補償は支持させるものの、積極的差別是正措置のようなより広い政策の支持は被害者への共感のほうがよく予測することを示しました。リーチら(2006年)は、内集団の不当な利益に対する怒りが、罪悪感より政治行動を強く導くと報告しました。

よくある質問

集団的罪悪感を簡単に言うと?
自分が直接しなくても、自分の集団が過去にほかの集団にした過ちのために感じる罪悪感です。
いつも良い結果につながりますか?
謝罪や補償の支持を高めますが、人々は被害の矮小化や被害者非難でそれを避けようとし、より広い変化には共感や怒りのほうが強い動機になることもあります。

出典確認日:2026-10-26

参考文献

  1. Doosje, B., Branscombe, N. R., Spears, R., & Manstead, A. S. R. (1998). Guilty by association: When one's group has a negative history. Journal of Personality and Social Psychology, 75(4), 872–886. 集団的罪悪感を実験で初めて示した原典で、概念の出発点を見るのに参考になります。
  2. Branscombe, N. R., & Doosje, B. (Eds.). (2004). Collective Guilt: International Perspectives. Cambridge: Cambridge University Press. さまざまな国の事例を集めた編著で、国際的な文脈を見るのに役立ちます。
  3. Iyer, A., Leach, C. W., & Crosby, F. J. (2003). White guilt and racial compensation: The benefits and limits of self-focus. Personality and Social Psychology Bulletin, 29(1), 117–129. 罪悪感は補償を、共感はより広い政策支持を生むことを示した研究で、罪悪感の限界を見るのに参考になります。
  4. McGarty, C., Pedersen, A., Leach, C. W., Mansell, T., Waller, J., & Bliuc, A.-M. (2005). Group-based guilt as a predictor of commitment to apology. British Journal of Social Psychology, 44(4), 659–680. オーストラリア先住民への謝罪の支持を扱った研究で、謝罪の政治を見るのに役立ちます。
  5. Leach, C. W., Iyer, A., & Pedersen, A. (2006). Anger and guilt about ingroup advantage explain the willingness for political action. Personality and Social Psychology Bulletin, 32(9), 1232–1245. 罪悪感と怒りが政治行動に及ぼす効果を比較した研究で、行動の動機を見るのに参考になります。
  6. Wohl, M. J. A., Branscombe, N. R., & Klar, Y. (2006). Collective guilt: Emotional reactions when one's group has done wrong or been wronged. European Review of Social Psychology, 17(1), 1–37. 集団的罪悪感の研究を総合した概観で、条件と結果の全体を見るのに役立ちます。
  7. Brown, R., González, R., Zagefka, H., Manzi, J., & Čehajić, S. (2008). Nuestra culpa: Collective guilt and shame as predictors of reparation for historical wrongdoing. Journal of Personality and Social Psychology, 94(1), 75–90. チリの先住民の事例で罪悪感と恥を比較した研究で、二つの感情の違いを見るのに参考になります。

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この記事は2026年10月27日に最終更新されました。内容は広く知られた原典と教科書に基づいて整理していますが、レポートで引用する際は参考文献の原典を必ず確認してください。