歴史と論争
侮辱罪は1953年制定の韓国刑法に当初から置かれ、日本刑法第231条の侮辱罪にならった規定です。ネットやゲームのチャットが日常となるにつれ侮辱罪の告訴は年間数万件に増え、示談金目当ての「告訴の乱発」が問題になりました。表現の自由を過度に制限するとの憲法訴願が何度も起こされましたが、憲法裁判所は2013年と2020年のいずれも合憲と判断しています。一方、米国など多くの国は単純な侮辱を刑事罰の対象としておらず、比較法的な議論が続いています。
成立要件
第一に公然性:不特定または多数が知りうること。1対1の会話でも他人に広がる可能性があれば認められることがありますが、2人だけのメッセージは通常否定されます。第二に特定性:ニックネームだけでも周囲が誰か分かれば認められます。第三に侮辱的表現:社会的評価を下げる軽蔑的表現である必要があり、単なる無礼や不快な言葉は該当しないこともあります。具体的な事実を摘示すると侮辱ではなく、より重い名誉毀損罪(刑法第307条)となり、真実でも処罰されえます。
告訴手続きと対応
侮辱罪は親告罪で、被害者が犯人を知った日から6か月以内に告訴する必要があり、告訴を取り下げれば処罰できません。日付・URL・ニックネームが写るようスクリーンショットを残し、警察署やサイバー捜査部門に告訴状を提出します。初犯は通常数十万ウォンの罰金か起訴猶予で終わりますが、民事上の慰謝料も別途請求できます。処罰範囲は罪刑法定主義に基づき厳格に解釈されます。
よくある質問
- グループチャットでの悪口も侮辱罪?
- 複数人がいるグループチャットは公然性が認められ、侮辱罪になりえます。
- ニックネームなら特定性はない?
- 周囲の人がそのニックネームが誰か分かれば特定性が認められえます。
出典確認日:2026-10-26
参考文献
- 형법 제311조(모욕), 제312조(친고죄), 제307조(명예훼손).
- 헌법재판소 2013. 6. 27. 2012헌바37 결정; 2020. 12. 23. 2017헌바456 결정(모욕죄 합헌).
- 대법원 2022. 8. 31. 선고 2019도7370 판결 등.
