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集団実体性

🧠 心理学 執筆 CampusDown ウィキ編集部 最終更新
集団実体性とは、複数の人が単なる個人の集まりではなく、一つにまとまった実体、つまり「本当の集団」として知覚される程度をいいます。1958年にドナルド・キャンベルが初めて使った言葉です。成員が同じ運命を経験し、互いに似ていて、頻繁に相互作用し、共通の目標をもつほど、実体性は高く知覚されます。実体性は、集団をどう判断し、ステレオタイプを作り、脅威を感じ、同一視するかに影響します。
目次
  1. 1. 概念と手がかり
  2. 2. 集団知覚とステレオタイプ
  3. 3. 内集団と同一視
  4. 4. よくある質問
  5. 5. 参考文献

概念と手がかり

キャンベル(1958年)は、人々の集まりを一つの社会的実体にみせる手がかりを、ゲシュタルトの知覚原理から借りてきました。ともに動き同じ結果を経験する「共通運命」、成員どうしの「類似性」、近くに集まっている「近接性」が代表的です。その後の研究は、成員間の相互作用、共通の目標、集団内の組織と構造も実体性を高める手がかりであることを示しました。リッケルら(2000年)は、家族や友人のような親密集団、職場のチームのような課題集団が最も実体性が高く、性別や国籍のような社会的カテゴリー、同じバスの乗客のようなゆるい集まりの順に低くなることを示しました。

集団知覚とステレオタイプ

ハミルトンとシャーマン(1996年)は、実体性の高い集団ほど、人々はその集団をまるで一人の個人のように処理すると主張しました。一貫した性格を期待し、情報を統合的に記憶し、行動の原因を集団の本質に求めるようになります。クロフォードら(2002年)は、実体性の高い集団では一人の成員の特性がほかの成員に容易に転移し、成員が互いに置き換え可能な存在として知覚され、ステレオタイプが生じることを示しました。エーベルソンら(1998年)は、実体性の高い外集団は一丸となって行動しうる存在にみえるため、より脅威的に感じられると論じました。これは外集団同質性効果とともに働きます。

内集団と同一視

実体性は内集団に対する態度にも影響します。カスターノら(2002年)は、自分の集団の実体性が高いと知覚するほど、その集団により強く同一視し、内集団びいきも大きくなることを示しました。ホッグら(2007年)は、人々が不確実性を感じるとき、境界がはっきりして実体性の高い集団により惹かれ、同一視するという結果を得ました。これは不確実性・アイデンティティ理論の中心的な根拠となり、不安な時期に極端で結束の強い集団が魅力的にみえる理由を説明します。

よくある質問

集団実体性を簡単に言うと?
ある人々の集まりが「ただの人たち」ではなく「一つの本当の集団」にみえる程度です。
実体性が高いと何が起きますか?
成員を互いに似ていて置き換え可能な存在とみるようになりステレオタイプが生じやすく、外集団ならより脅威的に、内集団ならより強く同一視するようになります。

出典確認日:2026-10-26

参考文献

  1. Campbell, D. T. (1958). Common fate, similarity, and other indices of the status of aggregates of persons as social entities. Behavioral Science, 3(1), 14–25. 実体性という言葉を初めて作った原典で、共通運命や類似性といった手がかりを見るのに参考になります。
  2. Hamilton, D. L., & Sherman, S. J. (1996). Perceiving persons and groups. Psychological Review, 103(2), 336–355. 実体性が高いほど個人のように統合的に処理されるとした理論で、認知過程を見るのに役立ちます。
  3. Abelson, R. P., Dasgupta, N., Park, J., & Banaji, M. R. (1998). Perceptions of the collective other. Personality and Social Psychology Review, 2(4), 243–250. 実体性の高い外集団がより脅威的にみえるという議論で、脅威の知覚を見るのに参考になります。
  4. Lickel, B., Hamilton, D. L., Wieczorkowska, G., Lewis, A., Sherman, S. J., & Uhles, A. N. (2000). Varieties of groups and the perception of group entitativity. Journal of Personality and Social Psychology, 78(2), 223–246. 親密集団、課題集団、社会的カテゴリーなど集団の類型を区別した研究で、類型ごとの違いを見るのに役立ちます。
  5. Castano, E., Yzerbyt, V., Paladino, M.-P., & Sacchi, S. (2002). I belong, therefore, I exist: Ingroup identification, ingroup entitativity, and ingroup bias. Personality and Social Psychology Bulletin, 28(2), 135–143. 内集団の実体性が同一視と内集団びいきを高めることを示した研究で、内集団の側面を見るのに参考になります。
  6. Crawford, M. T., Sherman, S. J., & Hamilton, D. L. (2002). Perceived entitativity, stereotype formation, and the interchangeability of group members. Journal of Personality and Social Psychology, 83(5), 1076–1094. 実体性が高いと成員の特性が互いに転移してステレオタイプが生じることを示した研究で、ステレオタイプ形成を見るのに役立ちます。
  7. Hogg, M. A., Sherman, D. K., Dierselhuis, J., Maitner, A. T., & Moffitt, G. (2007). Uncertainty, entitativity, and group identification. Journal of Experimental Social Psychology, 43(1), 135–142. 不確実なときに実体性の高い集団へより同一視することを示した研究で、動機の側面を見るのに参考になります。

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この記事は2026年10月27日に最終更新されました。内容は広く知られた原典と教科書に基づいて整理していますが、レポートで引用する際は参考文献の原典を必ず確認してください。