起源と比例効果
フランスの技術者ロベール・ジブラ(1931年)は『経済的不平等』で、企業規模や所得のような経済変数がなぜ右に長く裾を引く分布を示すのかを説明しようとしました。彼は、各単位の成長が現在の大きさに比例するランダムなショックの積として生じるなら、規模の対数は正規分布に従うという「比例効果の法則」を示しました。つまり、大企業も小企業も同じ確率で10%成長したり縮小したりするということです。カレツキ(1945年)は、この分布の分散が増え続けるという問題を指摘し、修正モデルを提案しました。
企業規模分布の研究
ハートとプレイス(1956年)は英国企業のデータでジブラの法則と産業集中の関係を統計的に分析し、サイモンとボニーニ(1958年)、井尻とサイモン(1977年)は、新企業の参入を加えた確率モデルによって、企業規模が極端に偏った分布、すなわちジップの法則に近い分布を生むことを示しました。マンスフィールド(1962年)は米国の産業データで、小企業は生き残った場合により速く成長する傾向があることを見いだしました。エヴァンズ(1987年)とホール(1987年)も、企業の成長率は規模と年齢が大きくなるほど低くなるという結果を報告し、厳密な形のジブラの法則は小企業では成り立たないという根拠を示しました。ジョバノビッチ(1982年)は、企業が自らの効率性を学びながら存続または退出する選択モデルでこれを説明しました。
評価と都市の成長
サットン(1997年)は『ジブラの遺産』で、この法則は産業組織論の出発点の役割を果たしたものの、実際の企業成長は産業構造や市場競争に大きく左右されるとまとめました。スタンリーら(1996年)は、成長率の変動の大きさが企業規模が大きくなるほどべき乗の形で小さくなるという規則を発見しました。ロッティ、サンタレッリ、ヴィヴァレッリ(2003年)は、若く小さな企業は当初は法則に従わないが、市場に定着した後は法則に近づくと報告しています。都市経済学では、イークハウト(2004年)が米国のすべての都市を対象にジブラの法則がおおむね成り立つとし、ガベはこの法則から都市規模のべき乗則を導きました。
よくある質問
- ジブラの法則を簡単に説明すると?
- 大企業でも小企業でも、来年何パーセント成長するかは規模に関係なく同じ確率で決まる、という仮定です。
- ジブラの法則は実際に成り立ちますか?
- 大企業のあいだではおおむね当てはまりますが、小さく若い企業は生き残った場合により速く成長する傾向があり、厳密な形ではあまり成り立たないとする研究が多くあります。
出典確認日:2026-10-26
参考文献
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