ジョハリの窓とは
ジョハリの窓は、自己理解と対人関係を4つの窓で表したモデルです。1955年、アメリカのUCLAで開かれたグループ・ダイナミクスの研修会で、心理学者ジョセフ・ルフトとハリントン・インガムが発表しました。企業の新人研修やチームビルディング、学校の授業、就職活動の自己分析などで広く使われています。
📌 ひと目でわかる
- 考案者
- ジョセフ・ルフト、ハリントン・インガム(1955年)
- 4つの窓
- 開放の窓、盲点の窓、秘密の窓、未知の窓
- 窓を広げる方法
- 自己開示とフィードバック
- 活用場面
- 新人研修、チームビルディング、カウンセリング、就活の自己分析
4つの窓
| 区分 | 自分は知っている | 自分は気づいていない |
|---|---|---|
| 他人は知っている | 開放の窓:自分も他人も知っている自分 | 盲点の窓:他人は知っているが自分は気づいていない自分 |
| 他人は知らない | 秘密の窓:自分だけが知っている自分 | 未知の窓:誰も知らない自分 |
- 開放の窓:名前や趣味、表に出ている性格など。ここが広いほど誤解が少なく、話しやすい関係になります。
- 盲点の窓:口ぐせや、緊張したときの表情など、周りは気づいていても自分ではわからない部分です。
- 秘密の窓:コンプレックスや本音、過去の経験など、自分だけが知っていて見せていない部分です。
- 未知の窓:まだ試したことがないため、誰も知らない可能性や無意識の部分です。
開放の窓を広げる方法
- 自己開示:考えや気持ちを適度に話すと、秘密の窓が小さくなり開放の窓が広がります。
- フィードバックを受ける:周りから見た自分を聞き、受け止めることで盲点の窓が小さくなります。
- 新しい経験:自己開示とフィードバックを重ねながら新しいことに挑戦すると、未知の窓にあった可能性が見つかります。
開放の窓を広げるといっても、何でも打ち明ければいいわけではありません。関係の深さや場面に合わせて少しずつ開示することが、信頼につながります。
研修・授業でできるワークの手順
- 「落ち着いている」「明るい」「責任感がある」「聞き上手」など、性格を表す言葉のリストを用意します(20〜50語程度)。
- 自分に当てはまると思う言葉を5つほど選びます。
- グループのメンバーも、その人に当てはまる言葉を5つほど選びます。
- 両方が選んだ言葉は開放の窓、他人だけが選んだ言葉は盲点の窓、自分だけが選んだ言葉は秘密の窓、誰も選ばなかった言葉は未知の窓に書き込みます。
- 結果を見ながら、意外だった点や、これから活かしたい強みを話し合います。
就活の自己分析での活かし方
盲点の窓に入った言葉は、自分では気づいていない他者から見た強みです。友人や家族、アルバイト先の先輩に協力してもらい、その強みが表れた具体的なエピソードを添えると、エントリーシートや面接での自己PRに説得力が出ます。
コミュニケーションのしくみをさらに知りたい方はコミュニケーションの公理、関係の中での自我の状態については交流分析もご覧ください。
よくある質問
- 「ジョハリ」とはどういう意味ですか?
- 考案者のジョセフ(Joe)とハリントン(Harry)の名前を組み合わせた言葉です。
- 開放の窓は広いほどよいのですか?
- 一般に信頼やコミュニケーションに役立ちますが、場面に合わない過度な自己開示は相手の負担になることもあります。
- ジョハリの窓は心理検査ですか?
- いいえ。標準化された検査ではなく、自己理解やグループでの話し合いを助けるための学習ツールです。
参考文献
- Luft, J., & Ingham, H. (1955). The Johari window, a graphic model of interpersonal awareness. Proceedings of the Western Training Laboratory in Group Development. UCLA.
- Luft, J. (1969). Of Human Interaction. National Press Books.
- Luft, J. (1984). Group Processes: An Introduction to Group Dynamics (3rd ed.). Mayfield.
- Altman, I., & Taylor, D. A. (1973). Social Penetration: The Development of Interpersonal Relationships. Holt, Rinehart & Winston.
