基本的な仮定と条件
ブレーム(1966年)は、人は特定の行動をする「自由」を持っていると信じており、その自由が減らされたり脅かされたりすると、それを取り戻そうとする動機づけ状態、すなわち「心理的リアクタンス」が生じると考えました。リアクタンスの大きさは、脅かされた自由がどれほど重要か、どれだけ多くの自由が脅かされたか、脅威がどれほど強いかによって変わります。また、ある自由が制限されると他の自由も脅かされうるという「含意」によって、リアクタンスが大きくなることもあります。リアクタンスは、その行動を直接行う、似た行動で代用する、制限した人に敵意を示す、制限された選択肢をより魅力的に評価する、といった形で現れます。ハモックとブレーム(1966年)は、子どもが選べたはずのキャンディーを他者が取り除くと、そのキャンディーの魅力をより高く評価するという実験結果を報告しました。
説得と消費者行動の研究
リアクタンス理論は、強引な説得がかえって逆効果になる「ブーメラン効果」の説明に広く用いられてきました。マジス、セトル、レスリー(1973年)は、米マイアミでリン酸塩洗剤の販売が禁止されると、住民がその洗剤をより効果的だと評価したと報告しました。ペネベーカーとサンダース(1976年)は、トイレの落書きを禁じる掲示が威圧的であるほど落書きが増えたというフィールド研究の結果を示しました。クリーとウィックランド(1980年)は、限定販売や品切れといった状況が消費者の選択の自由を脅かし、購買意欲を高めうると整理しました。「必ず」「絶対に」のような強い指示語や、相手が自分を説得しようとする意図があからさまなときにリアクタンスが大きくなるという知見は、説得理論とともにコミュニケーション設計研究の重要なテーマとなりました。
測定と最近の研究
初期の理論はリアクタンスを直接観察できない状態とみなしていましたが、ディラードとシェン(2005年)は、リアクタンスは怒りという感情と反論という否定的な認知が結びついた状態だとする「絡み合いモデル」を提案し、それを測定しました。レインズ(2013年)のメタ分析はこのモデルを支持しています。ブレームとブレーム(1981年)は理論を自由とコントロールに関するより広い枠組みに拡張し、ホンとフェッダ(1996年)は人によって反発のしやすさが異なる点に注目して「特性リアクタンス」の尺度を開発しました。シュタインドルら(2015年)は代理的リアクタンス、文化差、生理的反応といった新しい研究を整理し、ローゼンバーグとシーゲル(2018年)は50年にわたる研究を検討しました。今日この理論は、認知的不協和理論や自己決定理論とともに、自律性の尊重、選択の余地を残すメッセージ、ナッジの設計をめぐる議論でしばしば引用されています。
よくある質問
- 心理的リアクタンスを簡単に言うと?
- 「するな」と言われるとかえってしたくなるように、自分の選択の自由が脅かされたと感じたとき、その自由を取り戻そうとする気持ちのことです。
- リアクタンスはどんなときに強くなりますか?
- 脅かされた自由が重要であるほど、指示が強引で露骨であるほど、そして複数の自由が一度に制限されると感じるほど強くなります。
出典確認日:2026-10-26
参考文献
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