武器バイアスの実験
ペイン(2001年)は参加者に黒人または白人の顔をごく短く見せたあと、続いて現れる物体が銃か工具かを判断させました。黒人の顔の後では銃をより速く見分け、時間制限があるときは工具を銃と見誤る誤りがより多くなりました。ペインは、このバイアスが意図的な偏見がなくても、自動的なステレオタイプ連合と、それを統制できない状況がともにはたらいて生じると説明しました。ペイン(2006年)はこれを「武器バイアス」としてまとめ、時間的圧力や疲労のように統制力が弱まる条件でバイアスが大きくなるとしました。
射撃課題と警察官の研究
コレルら(2002年)は、さまざまな背景の中に銃や携帯電話、財布を持った黒人または白人の男性が現れると、「撃つ」か「撃たない」をすばやく押させました。参加者は武装した黒人の標的により速く撃ち、非武装の黒人の標的をより頻繁に誤って撃ちました。このバイアスは個人の偏見の程度より、黒人と危険を結びつける文化的ステレオタイプの認識とより関連しており、黒人の参加者にも現れました。グリーンワルドら(2003年)も同様の結果を再現しました。コレルら(2007年)は、警察官も反応速度ではバイアスを示したものの、誤って撃つ誤りのバイアスは一般の人より小さかったと報告しました。
メタ分析と減らす方法
メカウィとブレシン(2015年)は射撃課題の研究をメタ分析し、人々が黒人の標的により速く撃ち、より低い基準で撃つと決める傾向が一貫して現れることを確かめました。ただし誤り率の差の大きさは研究条件によって異なりました。プラントとペルーシュ(2005年)は、人種と武装の有無が無関係に設定された課題を警察官が繰り返し練習すると、バイアスが減ったと報告しました。これらの研究は、錯誤相関などで形成されたステレオタイプが生死に直結する判断に影響しうることを示し、訓練や判断の時間を確保する政策の重要性を示唆しています。
よくある質問
- 射撃者バイアスを簡単に言うと?
- 撃つかどうかを瞬時に判断するとき、標的の人種によって撃つ速さや誤りの起こり方が変わる傾向です。
- バイアスは減らせますか?
- 人種と危険が無関係であることを繰り返し経験する訓練や、判断する時間を確保することがバイアスを減らすのに役立つという研究があります。
出典確認日:2026-10-26
参考文献
- Payne, B. K. (2001). Prejudice and perception: The role of automatic and controlled processes in misperceiving a weapon. Journal of Personality and Social Psychology, 81(2), 181–192. 黒人の顔の後で道具を銃と見誤る武器バイアスの実験で、出発点を見るのに参考になります。
- Correll, J., Park, B., Judd, C. M., & Wittenbrink, B. (2002). The police officer's dilemma: Using ethnicity to disambiguate potentially threatening individuals. Journal of Personality and Social Psychology, 83(6), 1314–1329. 射撃ビデオゲーム課題を初めて示した研究で、中心的な根拠を見るのに役立ちます。
- Greenwald, A. G., Oakes, M. A., & Hoffman, H. G. (2003). Targets of discrimination: Effects of race on responses to weapons holders. Journal of Experimental Social Psychology, 39(4), 399–405. 人種と役割をあわせて扱った追試研究で、結果の頑健さを見るのに参考になります。
- Plant, E. A., & Peruche, B. M. (2005). The consequences of race for police officers' responses to criminal suspects. Psychological Science, 16(3), 180–183. 警察官のバイアスが訓練で減ることを示した研究で、介入の可能性を見るのに役立ちます。
- Payne, B. K. (2006). Weapon bias: Split-second decisions and unintended stereotyping. Current Directions in Psychological Science, 15(6), 287–291. 自動的・統制的過程から武器バイアスをまとめた概観で、仕組みを見るのに参考になります。
- Correll, J., Park, B., Judd, C. M., Wittenbrink, B., Sadler, M. S., & Keesee, T. (2007). Across the thin blue line: Police officers and racial bias in the decision to shoot. Journal of Personality and Social Psychology, 92(6), 1006–1023. 警察官と一般の人を比較した研究で、専門訓練の効果を見るのに役立ちます。
- Mekawi, Y., & Bresin, K. (2015). Is the evidence from racial bias shooting task studies a smoking gun? Results from a meta-analysis. Journal of Experimental Social Psychology, 61, 120–130. 射撃課題の研究を総合したメタ分析で、効果の大きさを見るのに参考になります。
