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ステレオタイプ内容モデル

🧠 心理学 執筆 CampusDown ウィキ編集部 最終更新
ステレオタイプ内容モデルとは、人々が他の集団を主に「温かいか」と「有能か」という二つの次元で判断するとする社会心理学のモデルです。2002年にスーザン・フィスクらが示しました。競争しない集団は温かいと、地位の高い集団は有能だとみなされ、二つの次元の組み合わせによって同情、嫉妬、軽蔑、称賛といった異なる感情が生じると説明します。
目次
  1. 1. 二つの次元と四つの組み合わせ
  2. 2. 行動への拡張と文化間の検証
  3. 3. 批判と代案
  4. 4. よくある質問
  5. 5. 参考文献

二つの次元と四つの組み合わせ

フィスクら(2002年)は、固定観念は単純に良いか悪いかという一つの評価ではなく、温かさと有能さが混ざった場合が多いと考えました。相手が自分たちと資源をめぐって競争しなければ温かいと、社会的地位が高ければ有能だと推論します。そのため両方が高い内集団には称賛を、温かいが無能とみなされる高齢者のような集団には同情を、有能だが冷たいとみなされる富裕層のような集団には嫉妬を、両方が低いとみなされる集団には軽蔑を感じると整理しました。この考えは社会的役割理論とともに、固定観念の源を問う代表的な議論になりました。

行動への拡張と文化間の検証

カディら(2007年)は「BIASマップ」を示し、温かさの判断は助けたり攻撃したりする能動的な行動に、有能さの判断は協力したり無視したりする受動的な行動につながることを示しました。フィスクら(2007年)は、この二つの次元が個人と集団を判断する際に共通して使われる普遍的な次元だと整理しました。カディら(2009年)は韓国や日本を含む多くの国でモデルを検証し、大枠は似ているものの東アジアでは内集団をあまり持ち上げない傾向があることを見いだしました。ハリスとフィスク(2006年)は、両方が低いとみなされる集団を見るとき、人を知覚する際に働く脳領域の反応が弱いという非人間化の証拠を示しました。

批判と代案

コッホら(2016年)は、研究者があらかじめ決めた集団ではなく人々が自ら思い浮かべた集団を分析し、保守的か進歩的かという信念の次元が別にあるとするABCモデルを提案しました。ケーニッヒとイーグリー(2014年)は、地位や競争よりも集団が担う役割のほうが固定観念をよく説明すると主張しました。また、温かさの次元に親しみやすさと道徳性が混ざっているという指摘もあります。それでも両価的性差別理論とともに、「好意的に見える偏見」を理解する中心的な枠組みとして使われています。

よくある質問

ステレオタイプ内容モデルを簡単に言うと?
人々は他の集団を「優しいか」と「能力があるか」の二つで判断し、その組み合わせによって同情や嫉妬などの異なる感情を抱くというモデルです。
温かさと有能さの判断はどこから来ますか?
自分たちと競争しない集団は温かいと、社会的地位の高い集団は有能だと推測する傾向から来ると考えます。

出典確認日:2026-10-26

参考文献

  1. Fiske, S. T., Cuddy, A. J. C., Glick, P., & Xu, J. (2002). A model of (often mixed) stereotype content: Competence and warmth respectively follow from perceived status and competition. Journal of Personality and Social Psychology, 82(6), 878–902. ステレオタイプ内容モデルを初めて示した原典で、温かさと有能さの二軸の出発点を見るのに参考になります。
  2. Cuddy, A. J. C., Fiske, S. T., & Glick, P. (2007). The BIAS map: Behaviors from intergroup affect and stereotypes. Journal of Personality and Social Psychology, 92(4), 631–648. 固定観念が感情を経て援助や加害の行動につながるという発展モデルで、行動上の帰結を見るのに役立ちます。
  3. Fiske, S. T., Cuddy, A. J. C., & Glick, P. (2007). Universal dimensions of social cognition: Warmth and competence. Trends in Cognitive Sciences, 11(2), 77–83. 温かさと有能さが社会的認知の普遍的次元であることを簡潔にまとめた論文で、概観に参考になります。
  4. Cuddy, A. J. C., Fiske, S. T., Kwan, V. S. Y., Glick, P., Demoulin, S., Leyens, J.-P., et al. (2009). Stereotype content model across cultures: Towards universal similarities and some differences. British Journal of Social Psychology, 48(1), 1–33. 多くの国でモデルを検証し東アジアの標本も含む比較研究で、文化間の一般性を見るのに役立ちます。
  5. Harris, L. T., & Fiske, S. T. (2006). Dehumanizing the lowest of the low: Neuroimaging responses to extreme out-groups. Psychological Science, 17(10), 847–853. 温かさも有能さも低いとみなされる集団への脳反応を調べた研究で、非人間化の問題を見るのに参考になります。
  6. Koch, A., Imhoff, R., Dotsch, R., Unkelbach, C., & Alves, H. (2016). The ABC of stereotypes about groups: Agency/socioeconomic success, conservative–progressive beliefs, and communion. Journal of Personality and Social Psychology, 110(5), 675–709. 人々が自ら思い浮かべた集団を分析し信念の次元を加えた代替モデルで、批判と代案を見るのに役立ちます。
  7. Koenig, A. M., & Eagly, A. H. (2014). Evidence for the social role theory of stereotype content: Observations of groups' roles shape stereotypes. Journal of Personality and Social Psychology, 107(3), 371–392. 固定観念の内容の源を社会的役割に求めた研究で、地位・競争による説明と比べるのに参考になります。

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この記事は2026年10月27日に最終更新されました。内容は広く知られた原典と教科書に基づいて整理していますが、レポートで引用する際は参考文献の原典を必ず確認してください。