良性発作性頭位めまい症とは
良性発作性頭位めまい症(BPPV)は、平衡感覚をつかさどる内耳の炭酸カルシウムの結晶、つまり耳石がはがれて三半規管に入り込むことで起こります。頭を動かすとリンパ液が異常に動き、めまいが生じます。ある住民調査では生涯有病率が約2.4%と推定されています(von Brevern ほか, 2007)。
この記事は一般的な健康情報であり、診断や治療に代わるものではありません。症状が続く場合は医師に相談してください。
どんなめまいならBPPVを疑うのか?
- 横になる、起き上がる、寝返りを打つ、上を見上げるときにぐるぐる回る感じがします。
- めまいは通常1分以内でおさまります。
- 吐き気を伴うことはありますが、聞こえは通常変わりません。
| 区分 | BPPV | 起立性低血圧 |
|---|---|---|
| 感じ方 | 回転性 | 目の前が暗くなる、ふらっとする |
| きっかけ | 頭の位置の変化(横になるときを含む) | 立ち上がり |
| 持続 | 数十秒 | 数秒〜数分 |
立ち上がったときのふらつきは起立性低血圧の可能性もあります。
診断と治療
医師はディックス・ホールパイク検査で、特定の頭位で起こる眼振を確認します。治療の中心は、頭を決まった順番で動かして耳石を元の場所に戻す耳石置換法です。代表的なエプリー法(Epley, 1992)は米国の診療ガイドラインでも推奨されており(Bhattacharyya ほか, 2017)、めまい止めの薬の常用は勧められていません。再発しやすく、再発時も同じ方法で治療します。
よくある質問
- BPPVは危険な病気ですか?
- 命に関わる病気ではありませんが、転倒の危険があります。ろれつが回らない、片側のまひ、激しい頭痛を伴う場合は脳卒中の可能性があるため、すぐに救急を受診してください。
- 自宅でエプリー法をしてもよいですか?
- どちらの耳・どの半規管かで方法が変わるため、診断を受けて医師に教わったやり方で行うのが安全です。
出典確認日:2026-10-25
関連項目: 耳鳴り
参考文献
- Bhattacharyya, N., Gubbels, S. P., Schwartz, S. R., et al. (2017). Clinical practice guideline: Benign paroxysmal positional vertigo (update). Otolaryngology–Head and Neck Surgery, 156(3 Suppl), S1–S47.
- von Brevern, M., Radtke, A., Lezius, F., et al. (2007). Epidemiology of benign paroxysmal positional vertigo: A population based study. Journal of Neurology, Neurosurgery & Psychiatry, 78(7), 710–715.
- Epley, J. M. (1992). The canalith repositioning procedure: For treatment of benign paroxysmal positional vertigo. Otolaryngology–Head and Neck Surgery, 107(3), 399–404.
