血圧がいくつから高血圧なのか?
血圧は心臓が収縮するときの収縮期血圧と、拡張するときの拡張期血圧で表します。日本高血圧学会のガイドライン(JSH2019)では、診察室血圧140/90mmHg以上を高血圧、120/80mmHg未満を正常血圧とし、その間を正常高値血圧・高値血圧に分けています。米国心臓病学会(2017)は130/80mmHg以上を高血圧と定義しており、基準は少し異なります。診察室でだけ高くなる白衣高血圧や、逆に家でだけ高い仮面高血圧があるため、家庭血圧の測定(基準135/85mmHg)が重要です。
原因
大部分は特定の原因がなく、遺伝、年齢、塩分の多い食事、肥満、運動不足、飲みすぎ、ストレスが重なって起こる本態性高血圧です。約5〜10%は腎臓病、原発性アルドステロン症、閉塞性睡眠時無呼吸、薬などの原因がある二次性高血圧です。おなかの脂肪と血糖・脂質の異常が重なるとメタボリックシンドロームと呼ばれます。
合併症
高い圧力が長く続くと血管が厚く硬くなり、脳卒中、心筋梗塞、心不全、心房細動、慢性腎臓病、網膜の障害、血管性認知症のリスクが高まります。2016年のLancetのメタアナリシス(123試験、61万人)では、収縮期血圧を10mmHg下げるごとに主要な心血管イベントが20%、脳卒中が27%、心不全が28%、全死亡が13%減りました。
治療
- 生活習慣:減塩(日本では1日6g未満が目標)、野菜や果物の多いDASH食、減量、週150分以上の運動、節酒、禁煙が基本です。
- 薬:ACE阻害薬・ARB、カルシウム拮抗薬、利尿薬が主に使われ、複数を組み合わせることもあります。
- 目標:日本のガイドラインでは75歳未満の成人の多くで130/80mmHg未満を目標とします。SPRINT試験では収縮期120未満を目指すとイベントがさらに減りましたが、低血圧や失神などの副作用も増えました。
降圧薬は朝飲んでも夜飲んでも結果に差がなかったため(TIME, 2022)、続けやすい時間に飲むのがよいでしょう。下がりすぎる場合は起立性低血圧をご覧ください。もう一つの大きな危険因子はLDLコレステロールです。
この記事は一般的な健康情報であり、診断や治療に代わるものではありません。症状が続く場合は医師に相談してください。
よくある質問
- 家で測る血圧と病院の血圧はどちらが大切ですか?
- 日本のガイドラインでは、両者が食い違う場合は家庭血圧による診断を優先します。朝と晩に決まった条件で測り、記録して受診時に見せましょう。
出典確認日:2026-10-25
参考文献
- Ettehad, D., et al. (2016). Blood pressure lowering for prevention of cardiovascular disease and death. Lancet, 387(10022), 957–967.
- SPRINT Research Group. (2015). A randomized trial of intensive versus standard blood-pressure control. New England Journal of Medicine, 373(22), 2103–2116.
- Kim, H. C., et al. (2019). 2018 Korean Society of Hypertension guidelines for the management of hypertension. Clinical Hypertension, 25, 20.
