なぜ睡眠中に呼吸が止まるのか?
眠ると舌やのどの筋肉がゆるみ、気道が狭くなります。肥満で首まわりの脂肪が多い、あごが小さい、扁桃が大きい、年齢とともに筋肉の張りが落ちる、といった場合は気道がふさがりやすくなります。10秒以上呼吸が止まると無呼吸、大きく減ると低呼吸といい、そのたびに血中の酸素が下がって脳が一瞬目覚め、睡眠が細切れになります。男性、肥満、飲酒、睡眠薬の服用がリスクを高めます。日本人はあごが小さい骨格のため、太っていなくても起こりやすいといわれます。
診断
終夜睡眠ポリグラフ検査で一晩中の脳波、呼吸、酸素飽和度、脚の動きを測り、1時間あたりの無呼吸・低呼吸の回数(AHI)を求めます。5回以上で睡眠時無呼吸、15回以上で中等症、30回以上で重症です。自宅でできる簡易検査も使われます。2019年の推計では、世界の30〜69歳の成人のうち約9億3,600万人が軽症以上、4億2,500万人が中等症以上とされました。
健康への影響
日中の眠気や集中力の低下で交通事故のリスクが高まり、高血圧、心房細動、脳卒中、糖尿病との関連が知られています。特に薬でうまくコントロールできない高血圧の人によく見られます。
治療
- CPAP:鼻マスクから一定の圧の空気を送り、気道がふさがらないようにします。いびき、日中の眠気、生活の質がはっきり改善します。
- マウスピース(口腔内装置):下あごを前に出して気道を広げます。軽症〜中等症で使われます。
- 減量・寝る姿勢:横向きに寝ることや節酒が役立ちます。
- 手術:扁桃・軟口蓋の手術、舌下神経刺激療法などを選択的に行います。
2016年のSAVE試験では、CPAPは心血管疾患のある2,717人の心血管イベントを減らしませんでしたが、平均使用時間が一晩3.3時間と短かったという限界があります。
この記事は一般的な健康情報であり、診断や治療に代わるものではありません。症状が続く場合は医師に相談してください。
よくある質問
- いびきがひどいと必ず睡眠時無呼吸ですか?
- 必ずではありませんが、大きないびきに加えて呼吸が止まっていると指摘される、強い日中の眠気がある場合は、睡眠検査について医師に相談しましょう。
出典確認日:2026-10-25
参考文献
- Benjafield, A. V., et al. (2019). Estimation of the global prevalence and burden of obstructive sleep apnoea. Lancet Respiratory Medicine, 7(8), 687–698.
- McEvoy, R. D., et al. (2016). CPAP for prevention of cardiovascular events in obstructive sleep apnea. New England Journal of Medicine, 375(10), 919–931.
- Peppard, P. E., et al. (2013). Increased prevalence of sleep-disordered breathing in adults. American Journal of Epidemiology, 177(9), 1006–1014.
