コホート研究とは
コホートとは共通の特徴をもつ集団のことです。コホート研究では、研究開始時に病気のない人々の生活習慣や検査値などの曝露を測定しておき、その後数年から数十年にわたって誰が病気になるかを追跡し、曝露と病気の関係を調べます。研究者が曝露を割り付けない点でランダム化比較試験とは異なります。
前向きと後ろ向き
- 前向きコホート:今から参加者を集めて将来に向けて追跡します。データの質は高いものの、時間と費用がかかります。
- 後ろ向きコホート:健診や保険データなど過去の記録を使って、すでに過ぎた期間を再構成します。早くできますが、必要な情報が欠けていることがあります。
代表的な研究
1948年に米国マサチューセッツ州フラミンガムの住民を対象に始まったフラミンガム心臓研究は、高血圧、コレステロール、喫煙が心臓病の危険因子であることを明らかにするのに大きく貢献しました。リチャード・ドールとオースティン・ブラッドフォード・ヒルの英国医師研究は、喫煙と肺がんの関係を示した古典的なコホート研究です。
結果を解釈するときの注意点は?
コホート研究は関連を示しますが、原因を証明するものではありません。よく運動する人はたばこも吸わないことが多いなど、ほかの要因(交絡因子)が結果に混ざることがあり、研究者は統計的な調整でそれを減らそうとします。病気の初期症状のせいで行動が変わる逆因果や、健康意識の高い人がサプリメントを飲む健康使用者効果も起こり得ます。結果は通常相対リスクやハザード比で報告され、複数のコホートをまとめたメタアナリシスも行われます。
よくある質問
- なぜRCTを行わないのですか?
- 喫煙や食事の長期的な影響など、無作為化すると時間や費用がかかりすぎたり倫理的に問題があったりする問いが多く、コホート研究がその穴を埋めています。
出典確認日:2026-10-25
参考文献
- Dawber, T. R., Meadors, G. F., & Moore, F. E. (1951). Epidemiological approaches to heart disease: the Framingham Study. American Journal of Public Health, 41(3), 279–286.
- Doll, R., & Hill, A. B. (1954). The mortality of doctors in relation to their smoking habits. BMJ, 1(4877), 1451–1455.
- Rothman, K. J. (2012). Epidemiology: An Introduction (2nd ed.). Oxford University Press.
