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脱地域化

🧠 心理学 執筆 CampusDown ウィキ編集部 最終更新
脱地域化とは、外集団の成員と接触するなかで、自集団の規範、慣習、生活様式が世界を見る唯一の方法ではないと気づき、内集団をあまり中心に置かなくなる過程をいいます。トーマス・ペティグルーが接触仮説を拡張するなかで示した概念です。脱地域化が起こると、内集団への愛着がやや弱まる一方で、接触していない別の外集団に対してもより寛容な態度をもつようになりえます。
目次
  1. 1. 概念と背景
  2. 2. 実証研究
  3. 3. 二次転移効果との関係
  4. 4. よくある質問
  5. 5. 参考文献

概念と背景

ゴードン・オルポート(1954年)が示した接触仮説は、条件がそろった接触が偏見を減らすとみました。ペティグルー(1998年)は、接触がはたらく過程として、外集団についての学習、行動の変化、情緒的な絆の形成とともに「内集団の再評価」を挙げました。外集団と交わり、その観点や慣習を知ると、自集団のやり方が当然で唯一正しいという考えが揺らぎます。このように内集団中心的な、つまり「地域的」な見方から抜け出す過程を脱地域化と呼びます。

実証研究

ペティグルー(1997年)は、フランス、英国、オランダ、ドイツの約3,800人を調査し、外集団の友人がいる人は、直接接触していない別の少数集団に対しても偏見が少なく、自国文化への誇りがやや低いことを示しました。ペティグルーとトロップ(2006年)のメタ分析も、接触効果が接触相手を超えて集団全体やほかの状況へ一般化することを確かめました。ファーカイテン、テイス、ベクイス(2010年)は、オランダの青年のデータで、ムスリムとの接触がオランダ人としてのアイデンティティの重要性を下げる内集団の再評価につながり、それがほかの外集団への態度にも影響することを示しました。

二次転移効果との関係

脱地域化は、ある外集団との接触が別の外集団への態度に広がる二次転移効果の主な説明の一つです。ペティグルー(2009年)とタウシュら(2010年)は、キプロス、北アイルランド、米国などのデータでこの一般化の過程を検証し、脱地域化が効果の一部を媒介するという結果を得ました。ただし、脱地域化の効果は研究によって大きさが異なり、内集団への愛着が弱まることを脅威と感じる人には反発が生じうることも指摘されています。

よくある質問

脱地域化を簡単に言うと?
ほかの集団の人々と交わるなかで、「自分たちのやり方だけが正しいわけではない」と気づいていく過程です。
なぜ重要なのですか?
自集団中心の見方がゆるむと、会ったことのない別の集団に対しても偏見が減りうるからです。

出典確認日:2026-10-26

参考文献

  1. Allport, G. W. (1954). The nature of prejudice. Addison-Wesley. 接触仮説の出発点となった古典で、背景理論を見るのに参考になります。
  2. Pettigrew, T. F. (1997). Generalized intergroup contact effects on prejudice. Personality and Social Psychology Bulletin, 23(2), 173–185. 脱地域化を初めて実証的に扱った欧州の調査研究で、概念の出典を見るのに役立ちます。
  3. Pettigrew, T. F. (1998). Intergroup contact theory. Annual Review of Psychology, 49, 65–85. 接触理論の四つの過程の一つとして脱地域化を示した概観で、理論上の位置を見るのに参考になります。
  4. Pettigrew, T. F., & Tropp, L. R. (2006). A meta-analytic test of intergroup contact theory. Journal of Personality and Social Psychology, 90(5), 751–783. 接触効果が一般化することを示したメタ分析で、根拠の広さを見るのに役立ちます。
  5. Pettigrew, T. F. (2009). Secondary transfer effect of contact: Do intergroup contact effects spread to noncontacted outgroups? Social Psychology, 40(2), 55–65. 接触効果が別の外集団へ広がる現象を扱った研究で、脱地域化との関係を見るのに参考になります。
  6. Tausch, N., Hewstone, M., Kenworthy, J. B., Psaltis, C., Schmid, K., Popan, J. R., Cairns, E., & Hughes, J. (2010). Secondary transfer effects of intergroup contact: Alternative accounts and underlying processes. Journal of Personality and Social Psychology, 99(2), 282–302. 複数の国のデータで態度一般化の過程を検証した研究で、仕組みを見るのに役立ちます。
  7. Verkuyten, M., Thijs, J., & Bekhuis, H. (2010). Intergroup contact and ingroup reappraisal: Examining the deprovincialization thesis. Social Psychology Quarterly, 73(4), 398–416. 脱地域化仮説を直接検証したオランダの研究で、測定方法を見るのに参考になります。

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この記事は2026年10月27日に最終更新されました。内容は広く知られた原典と教科書に基づいて整理していますが、レポートで引用する際は参考文献の原典を必ず確認してください。