CampusDownWiki
累計引用 11,386한국어KO 2,690EnglishEN 6,452日本語JA 750中文ZH 1,494
CampusDown(韓国語)↗
日本語

ギブソンのパラドックス

📈 経済学 執筆 CampusDown ウィキ編集部 最終更新
ギブソンのパラドックスとは、金本位制の時代の英国などで、長期金利が物価上昇率ではなく物価水準そのものと強い正の相関を示したという経験的な観察です。標準的な貨幣理論では説明が難しいため「パラドックス」と呼ばれ、英国の金融評論家アルフレッド・ギブソン(1923年)の分析にちなんでケインズ(1930年)が名づけました。
目次
  1. 1. 起源と観察
  2. 2. 初期の解釈と検証
  3. 3. 金本位制による説明とその後の論争
  4. 4. よくある質問
  5. 5. 参考文献

起源と観察

アルフレッド・ギブソン(1923年)は、英国のコンソル公債の利回りと卸売物価指数が1世紀以上にわたってともに上下してきたことを報告しました。ケインズ(1930年)は『貨幣論』でこれを「経済学で最も完全に確立された経験的事実の一つ」と呼び、「ギブソンのパラドックス」と名づけました。この関係がパラドックスとされるのは、貨幣理論によれば金利は物価の水準ではなく、物価がどれだけ速く上がるか、つまりインフレ率と関係するはずだからです。物価水準が高いからといって金利が高くなるべき理論的な理由ははっきりしませんでした。

初期の解釈と検証

ヴィクセル(1898年)は、市場利子率と資本の「自然利子率」との乖離が信用の膨張と物価の変動を生むと考え、ケインズ(1930年)はこれをもとに、銀行の金利が自然利子率の変化に遅れて反応するために金利と物価がともに動くと説明しました。アーヴィング・フィッシャー(1930年)は、人々がインフレを遅れて、過去の物価変化を長く引きずる形で予想するため、名目金利が物価水準に似た動きをすると解釈しました。これはフィッシャー効果のラグを伴う版といえます。サージェント(1973年)はこうした解釈が合理的期待とうまく整合しないことを検討し、シラーとシーゲル(1977年)は実質金利の長期的な変動がこの相関を説明できるかを分析しました。フリードマンとシュワルツ(1982年)も米英の長期データでこの現象を扱っています。

金本位制による説明とその後の論争

バースキーとサマーズ(1988年)は、金本位制のもとでは物価水準が金の相対価格の逆数になることに注目しました。実質収益率が上がると金を保有する機会費用が高まって金の需要が減り、金の価値が下がることで物価水準が上昇します。こうして実質金利と物価水準がともに動くという説明であり、金を一つの資産とみなす点でホテリング・ルールの発想とも通じています。ベンジャミンとコーチン(1984年)は、戦時の財政支出が金利と物価を同時に押し上げたという説明を示しました。このパラドックスは金本位制が終わり、インフレが持続するようになるにつれてしだいに弱まりました。このことは、ギブソンのパラドックスが特定の通貨制度と深く結びついているという解釈を裏づけています。コグリー、サージェント、スリコ(2015年)は、英国の物価水準の不確実性の変化を通じて、通貨体制とこの現象の関係を改めて検討しました。

よくある質問

ギブソンのパラドックスを簡単に説明すると?
理論上、金利は物価の上がる速さと関係するはずなのに、金本位制時代の英国では金利が物価の高さそのものとともに動いていたため「パラドックス」と呼ばれた現象です。
今日でもギブソンのパラドックスは見られますか?
金本位制が終わってからこの関係は大きく弱まりました。そのため多くの研究者は、この現象を金本位制のような特定の通貨制度と結びついたものとみています。

出典確認日:2026-10-26

参考文献

  1. Gibson, A. H. (1923). The future course of high-class investment values. Bankers' Magazine, 115, 15–34.
  2. Keynes, J. M. (1930). A Treatise on Money (Vol. 2). London: Macmillan.
  3. Fisher, I. (1930). The Theory of Interest. New York: Macmillan.
  4. Wicksell, K. (1898). Geldzins und Güterpreise. Jena: Gustav Fischer.
  5. Friedman, M., & Schwartz, A. J. (1982). Monetary Trends in the United States and the United Kingdom. Chicago: University of Chicago Press.
  6. Sargent, T. J. (1973). Interest rates and prices in the long run: A study of the Gibson paradox. Journal of Money, Credit and Banking, 5(1), 385–449.
  7. Shiller, R. J., & Siegel, J. J. (1977). The Gibson paradox and historical movements in real interest rates. Journal of Political Economy, 85(5), 891–907.
  8. Benjamin, D. K., & Kochin, L. A. (1984). War, prices, and interest rates: A martial solution to Gibson's paradox. In M. D. Bordo & A. J. Schwartz (Eds.), A Retrospective on the Classical Gold Standard (pp. 587–612). Chicago: University of Chicago Press.
  9. Barsky, R. B., & Summers, L. H. (1988). Gibson's paradox and the gold standard. Journal of Political Economy, 96(3), 528–550.
  10. Barsky, R. B. (1987). The Fisher hypothesis and the forecastability and persistence of inflation. Journal of Monetary Economics, 19(1), 3–24.
  11. Mills, T. C., & Wood, G. E. (1994). Money substitutes and monetary policy in the UK, 1922–1974. European Economic Review, 37(1), 49–60.
  12. Cogley, T., Sargent, T. J., & Surico, P. (2015). Price-level uncertainty and stability in the United Kingdom. Journal of Economic Dynamics and Control, 52, 1–16.
  13. Bordo, M. D., & Schwartz, A. J. (Eds.). (1984). A Retrospective on the Classical Gold Standard, 1821–1931. Chicago: University of Chicago Press.

この理論を使ったレポート・資料(韓国語)

この理論だけを扱った資料はまだありませんが、CampusDown 資料室(韓国語)で関連レポートを検索できます。

レポートをもっと探す・「깁슨의 역설」の検索結果 →
フィッシャー効果フィッシャー効果の意味とフィッシャー方程式(名目金利≒実質金利+期待インフレ率)、預金金利と物価上昇率から実質金利を求める例、インフレで金利が上がる理由、国際フィッシャー効果と為替、実証上の限界をまとめました。📈 経済学貨幣数量説マネーが増えると物価が上がるという貨幣数量説の交換方程式(MV=PT、MV=PY)、フィッシャーとケンブリッジ学派、フリードマンのマネタリズム、流通速度の不安定化、量的緩和後の論争をまとめました。📈 経済学ホテリング・ルール石油や鉱物などの枯渇性資源の希少性レントが時間とともに利子率と同じ率で上昇するというホテリング・ルールの意味と起源、裁定の論理、ソローとハートウィックの世代間公平の議論、探鉱や技術変化による修正、実証結果を解説します。📈 経済学ケインズ経済学ケインズ経済学の解説:『一般理論』(1936年)の有効需要、消費関数と乗数、流動性選好と流動性の罠、IS-LMモデル、財政政策をめぐる論争、マネタリズムとニュー・ケインジアン経済学。📈 経済学流動性の罠流動性の罠の意味とケインズの流動性選好説による説明、金利がゼロ近くで金融政策が効かなくなる理由、1990年代の日本と2008年金融危機の事例、財政政策・量的緩和・フォワードガイダンスなどの対応をまとめました。📈 経済学

あわせて読みたい理論

最新記事すべて見る ›

大学の勉強・課題に役立つ新着記事(韓国語)

この記事は2026年10月26日に最終更新されました。内容は広く知られた原典と教科書に基づいて整理していますが、レポートで引用する際は参考文献の原典を必ず確認してください。