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ケインズ経済学

📈 経済学 執筆 CampusDown ウィキ編集部 最終更新
要点:ケインズ経済学は、総生産と雇用は総需要(有効需要)によって決まり、需要不足は長期の失業をもたらしうるため、政府は財政・金融政策によって需要を安定させるべきだと主張します。
目次
  1. 1. 背景
  2. 2. 中心的な考え方
  3. 2.1. 有効需要
  4. 2.2. 消費関数と乗数
  5. 2.3. 流動性選好と流動性の罠
  6. 2.4. アニマル・スピリット
  7. 3. 政策的含意
  8. 4. その後の論争
  9. 5. 参考文献

背景

大恐慌期には一部の国で失業率が20%に迫るか、それを超えましたが、古典派経済学は賃金と物価が伸縮的であれば完全雇用が回復すると考えていました。ジョン・メイナード・ケインズの『雇用・利子および貨幣の一般理論』(1936年)は新たな説明を示し、現代マクロ経済学の出発点となりました。

中心的な考え方

有効需要

供給はそれ自身の需要を生み出すというセイの法則に反して、ケインズは、企業は売れると見込む分だけ生産するため、総需要が生産と雇用を決定すると論じました。したがって経済は非自発的失業を伴う均衡に落ち着くことがあります。

消費関数と乗数

消費は所得とともに増えますが、その増加分は所得の増加分より小さくなります(限界消費性向MPCは0と1の間)。政府支出や投資の増加は、当初の額の1/(1−MPC)倍だけ所得を増やします。これが乗数です。MPCが0.8なら乗数は5です。

流動性選好と流動性の罠

利子率は貨幣需要(取引動機、予備的動機、投機的動機)と貨幣供給によって決まります。利子率が非常に低いと人々は貨幣を退蔵し、金融政策が効かなくなることがあります。これが流動性の罠です。

アニマル・スピリット

投資は不確実な期待と「アニマル・スピリット」に左右されるため、景気循環は不安定になります。

政策的含意

  • 反循環的財政政策:不況期には支出拡大や減税、好況期には抑制
  • 累進課税や失業給付などの自動安定化装置
  • ヒックス(1937年)はこれらの考えを、教科書で用いられるIS-LMモデルとして定式化した。

その後の論争

学派主張
マネタリズム(フリードマン)貨幣供給が最も重要であり、裁量的財政政策はラグのためにかえって経済を不安定にしうる。
新しい古典派(ルーカス)合理的期待のもとでは、予想された政策の効果は小さい。
ニュー・ケインジアン価格・賃金の硬直性にミクロ的基礎を与え、ケインズ的結論を再構築する。

2008年の金融危機後と2020年の新型コロナウイルス感染症ショック後の大規模な財政刺激策により、財政乗数の大きさに関する実証研究が再び活発になりました。

参考文献

  1. Keynes, J. M. (1936). The General Theory of Employment, Interest and Money. Macmillan.
  2. Hicks, J. R. (1937). Mr. Keynes and the "Classics": A suggested interpretation. Econometrica, 5(2), 147-159.
  3. Friedman, M. (1968). The role of monetary policy. American Economic Review, 58(1), 1-17.
  4. Mankiw, N. G., & Romer, D. (Eds.). (1991). New Keynesian Economics (2 vols.). MIT Press.
  5. Ramey, V. A. (2019). Ten years after the financial crisis: What have we learned from the renaissance in fiscal research? Journal of Economic Perspectives, 33(2), 89-114.

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この記事は2026年10月15日に最終更新されました。内容は広く知られた原典と教科書に基づいて整理していますが、レポートで引用する際は参考文献の原典を必ず確認してください。