マネジリアル・グリッド理論とは?
マネジリアル・グリッド理論は、ロバート・ブレークとジェーン・ムートンが1964年に提唱したリーダーシップ・モデルです。リーダーの行動を業績(生産)への関心(横軸)と人間への関心(縦軸)に分け、それぞれ1〜9で評価して81マスのグリッド上に位置づけます。リーダーの生まれつきの資質ではなく「どう行動するか」に注目するリーダーシップ行動論の代表的な理論です。
5つのリーダーシップ類型
| 類型(座標) | 特徴 |
|---|---|
| 無関心型(1・1型) | 業績にも人にも関心が低く、最低限の努力しかしない |
| 人間中心型・カントリークラブ型(1・9型) | 職場の雰囲気やメンバーの満足を重視するが、業績への関心は低い |
| 仕事中心型(9・1型) | 効率と成果を最優先し、人は管理の対象とみなす |
| 中道型(5・5型) | 業績と士気をほどほどに両立させる妥協型 |
| チーム型(9・9型) | 献身的なメンバーの協力によって高い成果をあげる。最も理想的な類型 |
ブレークとマッカンス(1991)は後に、報酬と罰で忠誠を引き出す温情主義型と、状況に応じて自分に有利なスタイルに切り替える機会主義型を加えました。
ほかの行動論との関係は?
マネジリアル・グリッドは、オハイオ州立大学研究の「構造づくり・配慮」やミシガン大学研究の「職務中心・従業員中心」の区分を受け継ぎ、2つの次元を同時に高められると考えた点が特徴です。管理者の人間観を扱うマグレガーのX理論・Y理論とあわせて学ぶと理解しやすくなります。
批判と活用
あらゆる状況で9・9型が最善だという主張には実証的な裏づけが乏しいという批判があります(Northouse, 2019)。そこから、部下の成熟度に応じてリーダーシップを変えるハーシー&ブランチャードのSL理論などの状況適合理論が生まれました。それでも、管理職研修で自分のリーダーシップ・スタイルを診断するツールとして広く使われ、経営学や看護管理学の試験・レポートでもよく取り上げられます。
よくある質問
- マネジリアル・グリッドは状況適合理論ですか?
- いいえ。リーダーの行動スタイルを分類する行動論で、9・9型を普遍的に最善とみなします。
- 5・5型はなぜ理想的ではないのですか?
- 両方の関心を「ほどほど」で妥協させ、どちらも最高水準に届かないと考えるためです。
出典確認日:2026-10-25
参考文献
- Blake, R. R., & Mouton, J. S. (1964). The Managerial Grid: Key Orientations for Achieving Production through People. Houston, TX: Gulf Publishing.
- Blake, R. R., & McCanse, A. A. (1991). Leadership Dilemmas—Grid Solutions. Houston, TX: Gulf Publishing.
- Northouse, P. G. (2019). Leadership: Theory and Practice (8th ed.). Thousand Oaks, CA: SAGE.
