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マシュマロ・テスト

🧠 心理学 執筆 CampusDown ウィキ編集部 最終更新
マシュマロ・テストは、子どもに「今マシュマロを1つ食べるか、少し待って2つもらうか」を選ばせ、満足の遅延(delay of gratification)の力を調べた心理学の実験です。 1960〜70年代にスタンフォード大学のウォルター・ミシェルらが行いました。
目次
  1. 1. マシュマロ・テストとは
  2. 2. 実験の方法
  3. 3. もともとの研究結果
  4. 4. 追試と批判
  5. 5. 子どもの自己制御を育てるには
  6. 6. よくある質問
  7. 7. 参考文献

マシュマロ・テストとは

マシュマロ・テストは、子どもに今すぐ小さなごほうびをもらうか、待って大きなごほうびをもらうかを選ばせ、満足の遅延(delay of gratification)の力を調べた実験です。スタンフォード大学の心理学者ウォルター・ミシェルらが、1960〜70年代に大学附属幼稚園の子どもを対象に行いました。日本でも『マシュマロ・テスト』の邦訳や非認知能力ブームとともに広く知られています。

📌 ひと目でわかる
研究者
ウォルター・ミシェルら
時期
1960〜70年代
対象
スタンフォード大学附属幼稚園の4〜5歳児
測定
大きいごほうびのために待てた時間

実験の方法

  1. 子どもの前にマシュマロ(またはお菓子)を1つ置きます。
  2. 実験者は「戻ってくるまで食べずに待てたら2つあげるね」と言って部屋を出ます。
  3. 待てなくなったらベルを鳴らして実験者を呼べますが、その場合は1つだけです。
  4. 子どもがどれだけ長く待てたかを記録します。

もともとの研究結果

「幼稚園で長く待てた子は、思春期に優秀だった」という結果が有名になりました。ミシェルらの追跡調査では、幼いころ長く待てた子どもほど、思春期に親から学業面・社会面で有能だと評価され、大学進学適性試験(SAT)の得点も高い傾向がありました。

もっと重要なのは待つための方略の発見です。マシュマロをじっと見つめる子はすぐに食べてしまい、目をふさぐ、歌を歌う、マシュマロを「雲」だと想像する子は長く待てました。自制心は生まれつきの意志の強さだけでなく、学べるスキルでもあるということです。

追試と批判

もとの研究は、大学の教職員や学生の子どもが多い小規模な標本でした。ワッツ、ダンカン、クアン(2018)は、より多様なアメリカの子ども900人あまりのデータで再検討しました。

項目もとの研究2018年の追試
標本スタンフォード附属幼稚園、小規模アメリカ各地の多様な家庭
待てた時間と15歳時の学力の関連比較的強いもとの約半分
家庭環境や初期の認知能力を考慮すると―関連が大きく縮小

「がまんできる子が成功する」という単純な話ではなく、家庭の経済的な安定や養育環境が待つ力とその後の学力の両方に影響しているという解釈が有力になりました。約束した大人が信頼できないと子どもは待たなくなるという研究もあり、先の見えない環境では「今もらう」ほうが合理的な場合もあります。

子どもの自己制御を育てるには

  1. 待つための工夫を教える。誘惑から目をそらし、別の遊びに注意を向ける練習をします。
  2. 約束を守る。大人が約束を守ることで、子どもは待つ意味を学びます。
  3. 目標を小分けにする。大きなごほうびまでの道のりを段階で見せます。
  4. 自分で選ばせる。自分で選んだ目標ほど続きやすくなります。自己決定理論も参考にしてください。

よくある質問

マシュマロ・テストとは何ですか?
子どもに「今1つ食べるか、待って2つもらうか」を選ばせ、満足の遅延の力を調べたウォルター・ミシェルの実験です。
長く待てた子は成功するのですか?
もとの研究では関連が見られましたが、2018年の追試では関連はその約半分で、家庭環境を考慮すると大きく小さくなりました。
子どもが長く待てるようにするには?
誘惑から目をそらす、別のことを考えるといった方略を教え、大人が約束を守って信頼関係を築くことが役立ちます。

参考文献

  1. Mischel, W., Shoda, Y., & Rodriguez, M. L. (1989). Delay of gratification in children. Science, 244(4907), 933–938.
  2. Shoda, Y., Mischel, W., & Peake, P. K. (1990). Predicting adolescent cognitive and self-regulatory competencies from preschool delay of gratification. Developmental Psychology, 26(6), 978–986.
  3. Kidd, C., Palmeri, H., & Aslin, R. N. (2013). Rational snacking: Young children’s decision-making on the marshmallow task is moderated by beliefs about environmental reliability. Cognition, 126(1), 109–114.
  4. Watts, T. W., Duncan, G. J., & Quan, H. (2018). Revisiting the marshmallow test: A conceptual replication investigating links between early delay of gratification and later outcomes. Psychological Science, 29(7), 1159–1177.

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この記事は2026年10月23日に最終更新されました。内容は広く知られた原典と教科書に基づいて整理していますが、レポートで引用する際は参考文献の原典を必ず確認してください。