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成長マインドセット

📚 教育学 執筆 CampusDown ウィキ編集部 最終更新
成長マインドセット(growth mindset)とは、知能や能力は生まれつき決まっているのではなく、努力やよい方略、周囲の助けによって伸ばせると考える心のあり方です。 スタンフォード大学の心理学者キャロル・ドゥエックが研究し、広めました。
目次
  1. 1. 成長マインドセットとは
  2. 2. 2つのマインドセットの比較
  3. 3. ほめ方がマインドセットをつくる
  4. 4. 実際の効果はどのくらいか
  5. 5. 家庭や学校での生かし方
  6. 6. よくある質問
  7. 7. 参考文献

成長マインドセットとは

成長マインドセット(growth mindset)とは、知能や才能は努力やよい方略、周りの助けによって伸ばしていけると考える心のあり方です。反対に、能力は生まれつきでほとんど変わらないと考えるのが固定マインドセット(fixed mindset)です。スタンフォード大学の心理学者キャロル・ドゥエックが長年研究してきました。日本では著書が『マインドセット「やればできる!」の研究』として翻訳され、非認知能力の話題とともに広く知られるようになりました。

📌 ひと目でわかる
研究者
キャロル・ドゥエック
代表的な著作
『Mindset』(2006)
核心
能力は固定されたものではなく、伸ばせるという信念
実際の効果
平均すると小さいが、一部の生徒には意味のある効果

2つのマインドセットの比較

場面固定マインドセット成長マインドセット
難しい問題「自分は頭が悪いから無理」「まだやり方が見つかっていないだけ」
失敗隠したい恥ずかしいこと学ぶチャンス
努力才能がない証拠力を伸ばす道
他人の成功脅威に感じる学べることを探す

ほめ方がマインドセットをつくる

「頭がいいね」というほめ言葉が、かえって挑戦を避けさせることがあります。ドゥエックの研究では、「頭がいい」とほめられた子どもは次にやさしい問題を選びやすく、「よく頑張ったね」と努力をほめられた子どもはより難しい問題に挑戦しました。

大切なのは能力ではなくプロセスをほめることです。「100点!天才だね」ではなく「間違えた問題を解き直したのが効いたね」のように、方略や努力を具体的に伝えます。成功や失敗の原因をどう考えるかは原因帰属理論ともつながります。

実際の効果はどのくらいか

成長マインドセットは学校で大人気になりましたが、研究結果はより慎重です。シスクら(2018)のメタ分析では、マインドセットと成績の関係も、介入の効果も平均するとごく小さいものでした。ただし経済的に苦しい家庭の生徒や学業不振の生徒では効果が大きめでした。イェーガーら(2019)のアメリカ全国実験では、1時間足らずのオンライン学習で成績の低かった高校1年生の成績がわずかに上がり、挑戦を支える雰囲気の学校ほど効果が大きくなりました。

家庭や学校での生かし方

  1. 「まだ」を使う。「できない」を「まだできない」に言いかえます。
  2. 努力だけでなく方略をほめる。同じやり方に固執するより、新しい方法を試したことを認めます。
  3. 間違いを教材にする。間違い直しを罰ではなく成長の記録として扱います。
  4. 環境も整える。サポートなしにマインドセットだけを強調すると、「努力しないあなたが悪い」というメッセージになりかねません。

失敗が重なってあきらめてしまう過程は学習性無力感、「自分にはできる」という感覚は自己効力感で解説しています。

よくある質問

成長マインドセットとは何ですか?
知能や能力は努力やよい方略、周りの助けによって伸ばせると考える心のあり方です。
成長マインドセットを育てるほめ方は?
「頭がいい」と能力をほめるより、努力や試した方略、粘り強さを具体的にほめるのが効果的です。
成長マインドセットは本当に効果がありますか?
平均的な効果は小さいものの、学業不振の生徒や経済的に厳しい家庭の生徒、挑戦を支える学校環境では意味のある効果が報告されています。

参考文献

  1. Dweck, C. S. (2006). Mindset: The New Psychology of Success. New York: Random House.
  2. Mueller, C. M., & Dweck, C. S. (1998). Praise for intelligence can undermine children’s motivation and performance. Journal of Personality and Social Psychology, 75(1), 33–52.
  3. Sisk, V. F., Burgoyne, A. P., Sun, J., Butler, J. L., & Macnamara, B. N. (2018). To what extent and under which circumstances are growth mind-sets important to academic achievement? Two meta-analyses. Psychological Science, 29(4), 549–571.
  4. Yeager, D. S., Hanselman, P., Walton, G. M., Murray, J. S., Crosnoe, R., et al. (2019). A national experiment reveals where a growth mindset improves achievement. Nature, 573(7774), 364–369.

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この記事は2026年10月23日に最終更新されました。内容は広く知られた原典と教科書に基づいて整理していますが、レポートで引用する際は参考文献の原典を必ず確認してください。